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Story】

盲導犬は、訓練できる年になるまでパピーウォーカーと呼ばれるボランティアの家庭で育てられる。
シローのパピーウォーカーはハルカの家族だった。成長し、シローはもう12才。元ボクサーのゴングと息の合ったコンビだったが、ある夜信号を無視して来たトラックに跳ねられ、ゴングは即死してしまう。
訓練センターに戻されたシローの前に、死んだはずのゴングが姿を現し「死んだのはいいんだけどさ、今のままだと天国に行けないらしいのな。今までロクなことしてこなかったから、一つ善行を施せって神様のヤロウが言い出してよ。それなら、シロー、オマエのために何かしてやろうと思ったわけよ」
・・・数分後、シローは死んだばかりの人間の身体を借りて、“人”になっていた。

シローの願いはただひとつ、「老犬の姿ではなく人間になって、パピーウォーカーだった家族にもう一度逢いたい・・・」ハルカのにおいを頼りに街を走り抜け、たどり着いた幼稚園でシローは大人になったハルカに再会する。
最初こそいぶかしげに眺めるハルカだったが、動物たちをバスに乗せ移動動物園を営む東海を2人で手伝ううちに、一見風変わりなシローの優しさに惹かれていく。そんなハルカをもどかしく思う、ハルカの恋人の藤川。そしてシローもまた、ハルカへの気持ちの変化に戸惑っていた。「お前の身体、元気そうに見えても寿命あと一年ってとこだろ?そんな奴が恋してどうする?万が一、あの女がお前のこと好きになっても悲しませるだけだろ」ゴングに諭され、それが変わりようのない事実だとわかっていても、ハルカのそばを離れられないシロー。

ハルカを想うがために過ちを犯してしまった藤川との別れ、仕事の解雇といった出来事を何とか笑顔で乗り切ろうとするハルカ。更に追い討ちをかけるように、東海が死んでしまう。悲しい出来事が積み重なり、ハルカはシローに助けを求めた。ハルカの気持ちに応えたいシローだったが、口をついて出た言葉は「俺、犬なんです。あなたが初めて飼った盲導犬のシローなんです」その言葉を聞き、ハルカは呆然とする。シローの“身体の持ち主”は、過去何らかの事件に巻き込まれていたようで、移動動物園に刑事が尋ねて来た。記憶にない事件の為に必死に逃げようとする道中、シローはかつて別れ際にハルカが聞かせてくれた“シリウス”の話を始めた。二人しか知らない話、最初半信半疑で聞いていたハルカが呟いた。「あなたが犬のシローでも、好きなものは好き・・・シローだったから好きなのかもしれない」

刑事に追いつかれ、後がなくなったシローは、止めるハルカを残し、一人で逃げることを決意する。離れ離れになっても、自分がどんな姿になっても、きっとハルカはシローのことを忘れない・・・ハルカの想いを心の支えにして、シローは走った・・・。

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