ママの遺したラヴソング
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ママの遺したラヴソング
Story

写真長年会っていなかった母ロレーンが死んだ――
フロリダ州パナマシティで、パーシーは学校へも行かず怠惰な生活を送っていた。突然の訃報を受け取った彼女は、生家のあるルイジアナ州ニューオーリンズへ向かう。しかし、そこで彼女を待っていたのは二人の見知らぬ、元大学文学部教授のボビー・ロングと彼を慕う作家志望の青年ローソンだった。二人は母の友人で、遺言では家は三人に遺されており、自分たちも住む権利があると主張する。知らない男たちと暮らすなんて冗談じゃない、とパーシーはフロリダへ帰ろうとする。長距離バスの待合所で、形見であったカースン・マッカラーズの小説「心は孤独な狩人」を読み始める。幼い頃から祖母に育てられたパーシーに母の記憶はほとんど無い。物語中のシンガーの孤独が、著名なシンガーだった母と重なり、パーシーはむさぼるように読む。最後のページに、ボビー・ロングからの母ロレーンへの献辞句“どんな時も歌がある”が添えられていた。パーシーは、何も知らないまま亡くなった母を知りたいと、生家に留まる決意をする。こうして、嫌々ながらの奇妙な三人の同居生活が始まった。

写真生意気で利発なパーシーと、頑固で皮肉屋のボビーは反りが合わず口論が絶えない。相変わらず自堕落な日々を送るパーシーにはX線技師として働く、実現しそうも無い夢があった。光に透ける骨が体内の肖像画みたい、と詩的な表現をするパーシーに、ローソンは好感を抱く。彼は学校へ行くことをすすめるが、ボビーは家からパーシーを追い出したくて仕方ない。
ある日、ロレーンの思い出を聞くボビーに、パーシーは打ち明ける。子供の頃の思い出を勝手に作り出した、と。母が化粧しながら鏡越しに話しかけてくれたり、チーズのグリルサンドを作ってくれたり・・・、そして人気歌手だった彼女のライヴで隣に座った優しい紳士にカクテルをご馳走になったり、半ば夢のようなつくった思い出。「でも母は会いに来なかった。それで―― “ごっこ”はやめたの」
パーシーの心の奥に孤独が潜んでいることに気づいたボビーは、彼女に対する考えを変えていく。ボビーはローソンの車を売って、彼女が高校へ通うための金を工面する。まだ教授だった頃の教育に入れ込んでいた当時の自分を思い出していた。「これも神のおぼしめしさ 神とママが君を遣わした」

写真過ぎ行く秋、パーシーは学校になじんでいた。母が歌っていたライヴハウス、寝転んでよく読書していたお気に入りの大木の根元…。母が暮らした町での生活を通して、素晴らしい歌手として、ひとりの女性として皆に愛された母の姿をなぞっていく。そして、母が自分を愛していて、パースレーンという名前をつけてくれたことも。それは“黄金の花のような子”という意味をもつ。ささくれだっていたパーシーの心は、いつしか少しずつ、癒されていった。

写真クリスマスイヴの夜、酔ったボビーはローソンに積年の想いをぶちまけ、毒づいてしまう。アラバマの大学で教鞭をとっていたころ、ある事件がきっかけで彼は家族を失い、大学を追われた。逃げるように、助手だったローソンとこの町にやって来たのだった。ボビーが全てを失ったのは自分の所為と、ローソンは9年もの間自らを責め続けていた。心の傷を告白するローソンを、パーシーは優しくなぐさめる。心を通い合わせるように、暖炉の前で抱き合って眠る二人。
一方、ボビーは病魔に侵されつつあった。検査の結果、腎臓に問題があることが分かり入院を余儀なくされる。酒は禁止と言うのに、ボビーは決して止めようとしない。

写真春になり、パーシーは大学に進学するか悩んでいた。助成金を受けて大学へ行けというローソンに対し、手を貸しても彼女が遠くの学校へ行ってしまうだけだ、と寂しさを隠せないボビー。
「彼女が出て行ったら物語は最終章だ」
1年にわたる暮らしの中で芽生えた絆。お互いにとってかけがえのない存在となっていた三人。

写真しかし別れは唐突にやってくる。
パーシーの昔のボーイフレンドが、弁護士からの手紙を持って訪ねて来た。そこにはこう書いてあった。遺された家はパーシーのもので、ボビーとローソンはロレーンの死後一年だけ住める。ずっと自分にウソをついてきた二人に憤りを感じたパーシーは、二人を追い出して家を売り出してしまう。
引越しに備えて家の荷物を整理するパーシーは、母の遺品から、自分に宛てた一通の手紙を発見する。それはたくさんの愛と、優しい驚きが詰まっていた…。


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