波紋は、落語界にも広がっていた。下世話な見せ物を嫌う三松家柿紅が平佐の協会除籍を画策。それを知った香須美は、なによりも師匠の身を案じ、出演を思い止まるよう懇願する。だが、まるで聞く耳を持たない平佐から逆に破門を言いわたされてしまう。荷物をまとめ泣きながら出て行く彼女の心には、「どだい、女に噺は無理」という言葉が突き刺さっていた…。 そして、運命の日。思いがけず柿紅に呼び出された香須美は、平佐を捨てて自分のもとで「正しい噺家の道」を歩むよう説得される。ずっと憧れていた師匠からの予想だにしなかった提案。胸の中に渦巻く、言葉にならない想い──そして香須美の口から飛び出した言葉は…。 はたして落語界の異端児・三々亭平佐は、禁断の噺を演じきれるのか。そして純な落語娘・香須美の将来やいかに!?