11月8日(土)より
Bunkamuraル・シネマにて公開
全国順次公開
結末の知れた悲劇―
それなのに、見る者の心は引き裂かれる。
その妖しい美しさで義父ヘロデ王の心を奪ってはなさない王女サロメは、月の光のもと、七つのベールの踊りとひきかえに、預言者ヨハネの生首を所望する…。幻想の怪奇と文章の豊穣さで知られる世紀末文学の傑作「サロメ」が今、フラメンコのバレエで蘇る!
アカデミー賞最優秀外国語映画賞ノミネート作品の「カルメン」(83)、「タンゴ」(98)などの傑作を世に送りだし、これまでで四度ものオスカーノミネートを受けたスペインの巨匠カルロス・サウラ。そして元スペイン国立バレエ団芸術監督にして伝説的フラメンコ・ダンサーのアイーダ・ゴメス。世界的なふたつの才能と魂が共鳴し合って織り上げた究極の愛と欲望と死の物語、それが映画「サロメ」である。
純粋なフラメンコを用いた新作バレエ「サロメ」の演出をアイーダ・ゴメスから依頼されたカルロス・サウラ監督は、平行してフィクション映画を製作するアイディアを提案する。こうして映画「サロメ」は、バレエ「サロメ」の創造の過程で創造され、同時に誕生した。しかし映画は、バレエの単なる映像化ではない。舞台上の世界と映画のなかの現実が、さらには、スクリーンの外の現実までもが、虚々実々に混じり合い、互いを呑み込み、新たな次元へと向かう。
床を踏みならす両足の乱舞、しなる身体の重みと汗、匂い立つ欲望…。アイーダの踊りは、音楽や光と影を基調とする大胆な演出と融合し、セリフのない、しかし言葉以上に雄弁な物語を語り、見る者を圧倒する。この官能的で幻想的な世界は、早くも世界の話題を呼び、2002年モントリオール映画祭芸術貢献賞を獲得。さらに、2000年ラテン・グラミー賞を獲得したフラメンコ・ギターの雄トマティートが音楽を担当、哀しく深みのある独創的なサウンドは、スペインのアカデミー賞にあたる2003年スペイン・ゴヤ賞最優秀オリジナル・ソングに輝いている。
サロメというキャラクターは私達の誰もやらないことをやってのける。しかしその姿に魅惑されるのは、おそらく全ての欲望のうずきの下に眠るひとつの衝動を、その行為に認めるからに違いない。サロメ伝説がカルロス・サウラ監督の手にかかると、歴史的な事柄を超えて欲望の化身としての姿が露になる。アイーダ・ゴメスという本物の表現者を得て初めて可能となった、観る者の心をかき乱さずにはいられない繊細で雄弁な「サロメ」映画の誕生である。
|introduction|
story
|
cast
|
staff
|