5月下旬ロードショー
テアトル新宿

公式ホームページ
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◆STORY


時は2002年。売れない役者圭介(永瀬正敏)は、オーディションで売れっ子女優の美香(麻生久美子)に見初められ、時代劇映画『怪傑主水之介 血祭り七変化』の若侍役に抜擢される。はりきって撮影に挑むのだが、主演・高山(竹中直人)の台本無視のアドリブギャグに翻弄され、困惑してしまう。助監督(赤星昇一郎)には怒鳴られ、監督の槙野(風間杜夫)にも愛想を尽かされる。衣装もカツラ顔も血のりで汚れ、帰宅途中は冷たい目でじろじろ見られ、何をやってもうまくいかない。撮影前、圭介は結婚を考えていた恋人のエリ(桃生亜希子)と別 れたばかり。彼女のために職に就こうとしたことが、二人の溝を深めてしまうことに。そのこともあって美香の強引なアプローチにまんざらでもない、という中途半端な気持ちを抱いていた。
  美香と初めて寝た夜のこと。圭介の悪友で出所したばかりの健吾(ピエール瀧)と、子分の俊介(松岡俊介)がタイミング悪く圭介の家にやって来る。健吾は悪い奴ではないのだが、「人間は何か大切なことを忘れていないか?」という真っ当なポリシーを持ちつつ、俊介とつるんでニセモノ高級スピーカーを路上販売している。そして、圭介が映画に出演していることを知り撮影所に売り込みに行くことに。ところが守衛の制止を振りきったために大乱闘に。その様子を目撃した監督に気に入られた健吾は、圭介と一緒に映画出演を果 たすことに。やっと役をもらえた圭介は内心面白くない。だんだん「人生の花火を打ち上げるんだ」という理想と現実のギャップに打ちのめされ「一番大事なもののために花火を上げるべきだ」という健吾の言葉にトドメを刺された気分に。
  一方、インターネットで同時通訳をしているエリは、別れのショックから言葉を失っていた。エリの姉であるTVディレクターの薫(緒川たまき)は環境問題を扱った番組取材の為にエリと共にシンポジウムに出席。エリはそこで講演していた植物専門医のダニー・モレノ(ダニエル・エズラロー)の顔に見覚えがり、電車でしつこくつきまとったイタリア系の外国人と同一人物だと気付く。樹医であるダニーは世界中の木と対話を続けていて、エリと近くにあった美しい森へ一緒に出かけることに。話すことのできない植物に自分を重ね合わせ、エリは少しずつだが癒されていく。信じがたいことだが、空気は少しずつ汚染され、2010年には世界中の樹木が光害や様々なストレスから一斉に枯れてしまうという説まで存在し、街には新鮮な空気をブレンドする“酸素BAR”まで出現。ダニーとエリは酸素BAR“H2O”に立ち寄ってみる。次第に元気を取り戻していたエリはダニーと一緒に踊っていたのだが、気分が悪くなり倒れてしまう。ソファに横たわるエリに駆け寄ってきた店員は偶然にも圭介だった。エリの意識が戻り、視界に圭介が…エリにとって思いがけない再会だった。
 薫は、取材で彗星探索家木内鶴彦氏、京都の植木屋のおじさん、自然洗剤の開発者と会うにつれて、この問題の重要性に気づくのだがなかなか伝えきれない現実を目の当たりにしていた。明るい未来と、そうでない未来が見え隠れする。些細なことでも意識してもらいたい、そのために伝えたい、と働きかける薫だったが、編成局長(大杉漣)からの「個人的意見の押し付けが目立つ」という言葉に悩み、さらにTV局という枠組みの中での軋轢にぶちあたっていく。
  一方圭介は、自分にとって一番大切なものは何なのかに悩んでいた。美香の「愛してる?」の問いかけに沈黙してしまった圭介。嘘の目を美香に見破られたかもしれない。念願の映画出演だったはずなのに、曇り空のような気分は依然として続いていた。撮影は、いよいよクライマックスへ。圭介が捕らわれた姫と若君を救いに向かうシーンだ。現場は緊張感が漂う。圭介の登場、宝刀を抜き、姫達を助け出し一件落着、となるはずだった…。ところが圭介は一世一代の大芝居で、台本無視のアドリブで締めくくる。そして“自分にとって一番大切もの“へ向かって、走り出していた…明るい未来のために…。