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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 5月3日放送 第159回

ボクたちが働かない理由
来春の新卒採用のための就職セミナーが盛況の中、大阪で少々趣の違うセミナーが開催されていた。満員の会場を埋め尽くした参加者の多くが、50代以上の男女。実は、彼らはニートと呼ばれる、就職しない子供たちを心配した父母だった。
最近、耳にする「ニート」という言葉。1999年にイギリスで誕生したこの言葉はNEET=Not In Education
Employment or Trainingの略で、就職も進学もしない若者たちのことを指す。フリーター(定職にはつかないが働いている)とは区別される、この若者世代は年々増加し続けている。内閣府によると、その数は全国で85万人にも達したと推計されている。
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少子高齢化による現役世代の労働力の減少…ニートの増加は日本経済の活力をさらに損なう不安材料として懸念され、政府もニートやフリーターなど若者雇用対策として370億円を今年度予算に盛り込んだ。
その一つが「若者自立塾」。奈良では廃校になった小学校を確保し、ニートの若者に就労意識を芽生えさせる実験が始まった。2泊3日の共同合宿で、その指導に当たるのは、大阪の高等専修学校で名を馳せた熱血校長、前川篤氏。生徒にフィギュア(人形)制作を教え、働くことの達成感を教えるのが狙いだ。
一方、民間 の動きも活発。ニートを支援する千葉のNPO法人ニュースタート事務局では、100名規模の寮を運営。社会に対応できない若者の心のケアから、実際の職場で就業体験させ、働くことの楽しさに徐々に慣れさせていく。
しかし、何故ニートは生まれたのか?何故彼らは仕事を放棄するのか?そこには、単なる〝甘え〟と切り捨てられない、日本社会の厳しい現実がある。バブル崩壊後、相次ぐリストラで正社員の採用を見送ってきた企業。中高年の雇用を守る代わりに、犠牲を強いられたのが若者の雇用だった。その結果生まれた大量の臨時雇用者・・・しかし、そこには、働きがいを見いだせる理想の仕事は存在しない、その一方で彼らは親の元で保護され、生活の手段として働く必要にも駆られないのである。
番組では、ニートの若者に就労に関する意識調査などのアンケートを行い、その実態を解明するとともに、ニートを生み出した日本社会の背景を検証していく。
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