日経スペシャル「ガイアの夜明け」 5月17日放送 第161回

私が子供を産めたわけ
日本で1人の女性が生涯に産む子供の数は「1.29」と過去最低を更新した(2003年合計特殊出生率)。現在の人口を維持するには2.07前後が必要だが、1975年に2を割って以降出生率の低下が続いている。なぜ子供を産まないのか。子供を持たない既婚者は産まない理由を「子育てにお金がかかる」に次いで「仕事と子育ての両立がしにくい」と答えている(こども未来財団調査)。実際に働く女性の7割が妊娠・出産をきっかけに仕事を辞めている(厚生労働省調査)。
では、どうすれば女性が仕事を続けながら子供を産み育てやすい環境が作れるのか。そのための方策のひとつとして厚生労働省は「男性の育児休業取得率10%」という目標を今年4月に打ち出した。しかし、現実の男性育休取得率は0.44%(厚生労働省・2003年度女性雇用管理基本調査)。法律上、育休はたとえ妻が専業主婦であっても男性は取得することができる(生後8週間以内)が、子供が生まれても男は育児のために会社を休まない。これが日本の現状だ。
広告会社に勤める町原研さん(31)は去年5月に初めての子供が生まれた。そして、11月から半年間の育児休業に入った。できるだけ早く仕事に復帰したいという妻の純子さんに協力するためだ。就職以来もっとも長い休み、働き盛りの30代にキャリアが途切れるという不安を抱えながら育児に専念する日々。育休180日で町原さんが見つめ直した仕事と家庭。男の育休を通して少子化の背景を探る。
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【0.44%の男、育休パパは広告マン】
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[町原研さん (31) 広告会社勤務 04年11月~05年4月育休取得]
2004年5月、町原研さんに初めての子供が生まれた。町原さんは広告マーケティング会社に勤めるサラリーマン。妻の純子さん(30)はシステムエンジニア。出産で仕事を辞める気は全くなく、できるだけ早く復職したいと考えていた。研さんの育休取得は純子さんの「育休取れるんだったら取ったらどう?」という一言から始まった。定年退職したばかりの父親は「男が育児で会社を休んでも大丈夫なのか?」と心配そうだったが、妻のキャリアに協力しようと休むことを決めた。
10月末、研さんは職場の机を片付け、育休に入った。それまでは残業で深夜帰宅も多かった町原さんが0歳児の息子と2人きりで過ごす昼間の時間。ママばかりの育児教室デビュー。育児だけでなく掃除洗濯も全て引き受け専業主夫となり妻の帰りを待つ日々。それなりに忙しく充実もしているが、休んでいる間に仕事のやり方は変わらないのか、上司は変わらないのか、自分の机は同じ場所にあるのか、心配し始めたらキリがない。
そして半年後の会社復帰の日、出社した町原さんを待っていたのは... |
【育児に優しい会社になれ!?】
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4月1日に施行された「次世代育成支援対策推進法」。この法律は男性の育児参加を促して男性の働き方の見直しも打ち出し、男性の育休取得率10%を目標として掲げている。また社員301人以上の企業に対しては個別の男性育休取得率目標値の設定など「行動計画」の提出を義務付けている。化粧品メーカー・資生堂でこの行動計画作りを担当するのがCSR部の安藤哲男さんだ。社員の7割が女性で育休制度も早くから導入していた資生堂だが、これまでに育休を取得した男性はゼロ。制度を充実させても男性は取らない...課題は「男はなんとなく取りにくい」という風土。仕事と家庭の両立を支援するために風土から見直す行動計画作りが始まった。 |
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