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日経スペシャル「ガイアの夜明け」 3月14日放送 第203回

「眠れる巨象 インドを狙え!」
~人口11億 最後の巨大市場~
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“熱狂のインド” “驚異の経済力” ……といった記事の見出しが最近、新聞や雑誌を賑わすようになった。巨象(インド)が眠りから覚め、大きく動き出そうとしているのだ。人口11億340万。BRICs(ブリックス)諸国の中でも成長が一番注目されている国である。その市場のポテンシャルは計り知れないと世界中でささやかれ、1991年の経済自由化以来、欧米各国の企業がせきを切ったようにインド市場に進出している。
そうした中、なぜか日本企業の多くがいまだインド進出に戸惑いを隠せないでいる。カースト制度、宗教、文化の違い、そして労務管理の難しさ、税制の複雑さ….。これだけ成長しているインド市場だというのに、様々な障壁によって進出している日本企業はまだ少ない。中国への進出企業が1万9千社以上あるのに対し、インドには260数社程度だ。大手企業の現地生産の停止や合弁失敗のニュースも時おり耳にする。
しかし、実は20年以上も前にいち早くインドへと進出していた日本企業があった。自動車メーカーの「スズキ」である。「誰も行かないからチャンスがある・・・」というスズキのパイオニア精神とはいかなるものか?そして、現在のインドでの熾烈な自動車販売合戦をどう勝ち残ろうとしているのか?インドでのスズキの活動に密着しその戦略を浮き彫りにする。
一方、インドで日本の家電メーカーは韓国のメーカーに比べ出遅れている。今後も急成長が予想されながら、難しい問題も多いインド市場。現地の日立を通して、行くべきか、行かざるべきか、そのせめぎ合いの中での挑戦を追う。眠りから覚めようとしている現在のインドの実像と虚像に迫る。
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| 【誰も行かないからチャンスがある・・・・インドから世界を目指すスズキの野望】 |
インドでは今、2億とも3億とも言われる中間所得層の台頭とともに“マイカーブーム”に火がつき、自動車産業が活況を呈している。現在の年間市場規模は100万台。2010年には世界有数の200万台市場になる見通しだ。世界の主要自動車メーカーが加熱するインド市場に続々と参入し、熾烈な競争を繰り広げる中、乗用車で55.6%という驚異的なシェアを誇るのが日本企業のスズキである。
実は、20年以上前にスズキがインドに進出しようとした時自動車業界内では「無謀だ」と言われ、社内にも反対の声があったと言う。当時、他の日本企業はまだアメリカやヨーロッパに目を向けていた。しかし当時の鈴木修社長は「誰も行かないからチャンスがある」「一番になりたい」という熱意でインドへの進出を決断する。その先見性が現在のシェア55.6%を実現させたのだ。
1982年インド政府国営のマルチ・ウドヨグ社と合弁事業を開始し、紆余曲折を繰り返しながらも、“インドの国民車”と呼ばれるほど、スズキブランドを確立した。現在、インドでの従業員は4,000人を超え、337の販売店には8,600人ものセールスマンが働く。
日本企業にとって難しい市場と言われるインドで、スズキはどうやってナンバーワンの地位を獲得できたのか?そして、”熱狂のインド“を狙い世界中の自動車メーカーが攻勢をかけ始めている中、どうやってその地位を守っていこうとしているのか?
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実はインド市場で日本の家電メーカーは、サムスン電子やLG電子などの韓国勢に大きく水をあけられている。中には工場を閉鎖し、インドでの現地生産から撤退した家電メーカーもある。その中で日立は、現地での工場を持ち、高級機種のエアコンで着実にシェアを伸ばしつつある。
デリーとムンバイの間に位置し、禁酒の街である、アーメダバード。日立ホーム&ライフソリューション(インド)の拠点がある街だ。しかし、進出している日本企業は日立だけで、日本人の数もごくわずか。日立の駐在員である3人は合宿のような生活を送りながら虎視眈々と、日立ブランドをインド家電市場に定着させようと頑張っている。
昨年12月、日立は白物家電事業の拡大を狙って勝負に出た。これまでのエアコンに加え冷蔵庫と洗濯機のテスト販売を始めたのだ。この売れ行きによって、インドでの日立の歩むべき道が決まるかもしれない。本格参入するべきか、それとも撤退か・・・・。勝負を賭けたその闘いを追う。
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* 「眠れる巨象 インドを狙え! ~人口11億 最後の巨大市場」と連動した企画が3月14日付、3月15日付、3月16日付の日経産業新聞に「守れインド覇権 スズキ走る」として掲載されます。
番組とあわせてぜひお読み下さい。
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