| 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 7月29日放送 第325回

進化する省エネ ~家計と地球に優しい取り組み~
すでに日本全国で真夏日が続いている。今年の夏も暑いのか…。このところの原油や原材料の値上がりに、家計は圧迫されっぱなしだが、夏本番を迎え、クーラーの電気代も気になり始める…。そんな家計を助けようと、“省エネ請負人”たちが動き始めている。電気消費量を抑えた家電製品の開発、そうした省エネ家電を負担を感じずに導入できる仕組みなど、新しい取り組みが実践されているのだ。彼らが狙うのは、フトコロにも優しいエコ。電気代などの負担を減らしつつ、CO2(二酸化炭素)排出も減らすという、いわば一石二鳥の取り組みだ。そして、こうした取り組みは、家庭だけでなく企業にも広がっている。今や省エネは、エコという理念だけでなく、生活防衛、企業防衛のための必須事項となっているのだ。家庭や企業の“省エネ”最前線の現場を追う。
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埼玉県さいたま市の3人家族。このところの急激な物価の値上がりで、家計は火の車だ。馬鹿にならないのが、毎月5000円の電気代。使わない時はコンセントを抜くなど節電に努めているため3人家族にしては少ない方だが、電気代がさらに上がるという発表があった。そこで気になっているのが、11年前に買った冷蔵庫。省エネタイプに買い替え、少しでも電気代を減らし、さらに地球に優しくしたいが、先立つものがない。そんな中、駆け込んだのが、省エネ家電への買い替えを支援するNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)」。ここでは、省エネ家電に買い替える際の費用を無利子で融資するという制度を実践している。果たして、その制度とは…。
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今年のエアコン商戦で、ひときわ目を引くのが『省エネ』の文字だ。成熟化がいわれて久しい白物家電業界だが、環境意識の高まりと、物価高騰に伴う生活防衛意識の両面で、メーカーは買い替え需要が生まれている。昨年度の省エネ大賞を受賞した東芝キャリアは、部品の構造を工夫するなどしてエネルギーの無駄を減らし、10年前の同社の機種に比べ、約34%の消費電力の削減に成功したという。一方、三菱電機は、本体内のセンサーが人の位置や活動状態を検知。人のいる所に的を絞って空調の気流を送り、電力の消費量を最大50%も少なくするという「考えるエアコン」で新機軸を打ち出した。本体に表示される葉の枚数の多さで、電力消費量が分る仕組みも好評で、売り上げも好調だという。そして、各メーカーでは、来夏を見越した新技術の開発もすでに始まっている。熾烈な競争を繰り広げるメーカーの開発現場にカメラが入った。
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今年、南海電鉄は水をまったく使用しない「男性用無水小便器」73台を設置した。導入により、水の年間使用量2万2000トンが削減され、年間約600万円の水道料金を削減できるのだという。この無水小便器の導入を仕掛けたのが、東京・日本橋に本社がある「省電舎」。企業の省エネやコスト削減を支援する、いわば『省エネ請負人』だ。省電舎の最大の特色は、“リスクのない省エネ”。必要な資金を、省エネする分(エネルギーコストの削減分)で賄うという仕組みだ。省電舎が利益を確保しても、客が支払うエネルギーコストは以前より安くなる。「削減効果が大きければ大きいほど、双方利益も上がるという“儲かる省エネ”が省電舎のモットーだ」と中村健治社長は言う。
長野県松本市にある富士電機デバイステクノロジーの工場を訪ねる省電舎のグループリーダー、増淵茂さん。工場の作業効率を落とさず、それでも省エネを実現するのが、“省エネ請負人”に課せられた使命だ。照明や空調、ボイラーや炉の効率化、節水システムの見直しや新規エネルギーの導入など、 “トータル省エネルギープラン”を提案していく増渕さん。しかし、工場担当者の反応はいまひとつ。実は、日本の多くの工場では、世界的にも高い水準の省エネが既に施されているため、生産性を落とすことになく、さらに省エネを進めるのは至難の業なのだ。省エネ請負人の次の一手は…。
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