| 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 9月23日放送 第332回

ニッポンの漁業を救え! ~"省エネ"と"未利用魚"に活路~
7月15日に、全国一斉休漁という事態に至った日本の漁業。漁船の燃料高騰で「漁に出れば出るほど赤字」という厳しい状況だ。さらには、消費者の魚食離れや水産物の輸入増加も重なり、日本の漁業は今、存亡の危機にあるといっても過言ではない。そんな中、日本の漁業再生に向けた取り組みが各地で動き出した。
最盛期を迎えるサンマ漁は夜間に集魚灯を灯すため、燃料費の高騰の影響をひときわ受けている。そこへ、消費電力がこれまでの5分の1で済むというLED照明を導入する漁師が現れた。果たして光明を見出せるか、北海道浜中町の漁師たちを追う。しかし、原油高だけが漁業の問題ではない。それは旧態依然とした流通形態。そこに風穴を空けようという動きが出てきた。「捨てられる魚」を小売りと直結で流通させようと取り組む新興企業は、漁師たちの苦境を救えるか。
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秋の味覚として食卓にもなじみの深いサンマ。夜間に集魚灯を灯した船で行うサンマ漁は、発電機に大量の燃油を消費するため、燃油高騰のあおりを大きく受けている。水産庁は7月28日に"燃油高騰水産業緊急支援対策"を発表したが、現場の漁師にどこまで恩恵がいきわたるのかは不透明なままだ。北海道・浜中町は、9月になるとサンマ漁の最盛期を迎える。ここに、燃油高騰の荒波の中、コスト削減を目指すべく、"省エネ操業船"の実用化に向けて取り組む漁師がいた。浜中町の漁師、内村秀秋さん(47)が目を付けたのは"LED・発光ダイオード集魚灯"。従来の白熱球集魚灯に比べて、発電に使う燃料が6割近く削減できるという。しかし、立ちはだかる壁は高い。大きな壁が高額な設備投資費用。そして、水揚げ量を今まで通り確保できるのかも未知数だ。そのため、多くの漁船は今年も従来通りの白熱球集魚灯で漁を続ける。そんな中で、LED集魚灯を搭載した漁船"東海丸"でサンマ漁に挑む内村さん。果たして、光明は見えるか。新たな集魚灯で出漁する漁師の奮闘を追った。
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漁師の生活を圧迫しているのは、燃料費の高騰だけではない。漁獲量や、消費者に売れるかどうかを基準に魚価が決まるため、漁師の操業コストが魚の価格に反映されないのだ。こうした流通の仕組みに疑問を抱いて新たなビジネスを立ち上げたのが、愛知県の新興企業「プロ・スパー」の鈴木裕己さん(36歳)だ。鈴木さんは、地元愛知の漁師の友人と手を組んで、意外なものに目を付けた。それは、商品価値が低くて捨てられることの多かった魚や、地元でしか流通することのなかった魚だ。"未利用魚"や"マイナー魚"と呼ばれるこれらの魚の販路を開拓し、流通を簡素化するという取り組みに水産庁からの支援を受け、漁師たちから注目を集めている。"未利用魚"や"マイナー魚"の魚を買い上げ、調理法を独自に提案することで商品価値を高め、大手居酒屋チェーンや地元の直売店などで消費者に売りさばく。漁師にとっては今まで売れなかった魚が売れる上、安定した販路が確保できるという二重のメリットがある。鈴木さんのもとには、噂を聞きつけた漁業者からの連絡が殺到しているという。何としてでも販路確保にこぎつけたい各地の漁協と、自らのビジネスを全国に拡大したい鈴木さん。地元愛知ではすでに軌道に乗ったが、果たして他県でも同じように成功するのか?そして、疲弊するニッポンの漁業を救うことができるか?
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