日経スペシャル「ガイアの夜明け」 7月7日放送 第373回 あなたの体がよみがえる ~最先端・再生医療の可能性~
いま、再生医療が大きく動き出している。再生医療とは、けがや病気で傷ついた臓器を再生させて治療するという最先端の医療だ。これまで治らないと言われてきた病気が治る「究極の医療」として注目され、世界中で研究・開発が加速している。心筋梗塞など重い病気の治療はもちろん、皮膚のしわ取りといった美容治療まで、幅広い分野で研究が進み、すでに多くの患者を救っている治療法である。 さらに再生医療は、将来巨大な産業に成長すると予測され、多くの企業がこの分野に進出を始めている。大手の医薬品メーカーだけでなくベンチャー企業も続々と参入、世界規模で激しい開発競争を繰り広げている。果たして、再生医療はどこまで進むのか。 番組では、再生医療で糖尿病などの治療に挑む患者に密着するとともに、研究の最前線を取材。最先端医療の可能性に迫る。
国民病といわれる糖尿病。患者は、予備軍を含めると2200万人を超える、と言われている。糖尿病が進行すると、合併症の悪化で、足の血管がボロボロになり、ひどくなると足の先端が腐ってくるのだ。これまで、こうした患者は足を切断するしかなかった。 日本医科大学付属病院は、こうした糖尿病患者を救う再生治療に取り組んでいる。患者の背骨から取り出した骨髄液から血管を作る幹細胞を分離。腐りかけた足に注射して、血流をよみがえらせるというもの。この治療方法で、足の切断を免れた患者が現れている。番組では、再生医療に挑む糖尿病患者と医師に密着。再生医療の可能性に迫る。
美容医療の分野でも、再生医療が実用化している。東京都内のRDクリニック三田は、皮膚の再生医療を行っている。治療は、患者の耳からコラーゲンになる細胞を取り出して2ヵ月間培養。培養して増えた細胞を顔のしわのある部分に注射し、細胞の力が衰えた皮膚をよみがえらせるというものだ。治療費は1回およそ60万円。番組では、皮膚の再生医療を受けた女性に密着。美容分野で進む再生医療の可能性を追う。
がん患者を救う再生医療も始まっている。福岡にある九州中央病院は、乳がんの手術で失った乳房をよみがえらせるという再生医療を行っている。治療は、脂肪のもとになる幹細胞を患者の胸に移植するというもの。これまでも、患者の背中などから取った脂肪を移植する乳房再建手術が行われてきたが、移植した脂肪が定着せず、時間とともに胸の形が変形してしまった。新しい再生医療は、こうした問題を解決。患者のQOL(生活の質)を大きく向上させた。番組では、乳房の再生医療を受ける患者に密着した。
再生医療が広がる中、再生医療ビジネスも動き始めている。 ベンチャー企業のセルシードは、細胞を培養して作った角膜を世界で販売しようという事業に取り組んでいる。目の角膜を作る技術は、東京女子医大の岡野光夫教授が世界で初めて開発に成功したもので、大きな注目を集めている。現在、フランスで実用化に向けた臨床試験(治験)が進んでいる。番組ではセルシードの活動に密着。動き始めた再生医療ビジネスの可能性を追う。