日経スペシャル「ガイアの夜明け」 3月9日放送 第407回 ハイブリッドカー戦争 ~独占!ホンダDNAを継ぐ人々の挑戦~
去年、ホンダ「インサイト」、トヨタ「プリウス」で火が付いたハイブリッドカーの大ヒット。今後もトヨタ・ホンダを中心に、ラインナップが続々と増える予定だ。しかし、今年に入ってプリウスの「ブレーキ問題」が発生。ニッポンの自動車メーカ-が他メーカーの追随を許さなかった「ハイブリッド車」の品質に、世界中が注目する事態となっている。 そうした中、ハイブリッドの新型車を投入する、ホンダ。ハイブリッドカー=“エコ”だけではなく、クルマとしての魅力を追求した新しいハイブリッドカー開発が進んでいる。ホンダがインサイトに次いで世に送り出すのは、スポーツタイプのハイブリッドカー「CR-Z」。 伊東社長以下、開発者たちのすべての合言葉は“世にないものをつくる!”創業者・本田宗一郎氏から続く、ホンダのDNAを受け継ぐ戦いでもある。しかし、ハイブリッドカーとして求められる環境性能と、スポーツカーに求められる走りの良さや走行性能、デザインとの両立は言葉で言うほど簡単ではない。ガイアのカメラは半年以上にわたって、「極秘中の極秘」の開発現場に入った。知られざるハイブリッドカー開発と、これまであまり明らかになってこなかった自動車メーカーのマーケティング・広告戦略を密着取材。ほとんど壊滅状態とされる、スポーツカーの市場で、ハイブリッドカーは受け入れられるのか?日本メーカーの誇りをかけた挑戦を追う。
去年5月に登場したトヨタ新型「プリウス」。エコカー減税を追い風に、欧米の高級車ユーザーや富裕層が乗り換える現象も起きたほど、空前のヒットを飛ばした。去年5月に登場ながら、今年の販売台数1位は間違いないとされ、ハイブリッド車=エコというイメージが定着してきた矢先…。新型プリウスに「ブレーキ問題」が持ち上がった。ハイブリッドカーならではの、複雑な「ブレーキ制御システム」がその原因とされる。その後、リコール措置が取られたため、消費者に大きな混乱はなかったものの、ハイブリッド人気に冷や水を浴びせる事態になった。エコカーとはいえ、複雑なシステムで走るハイブリッドカーの不具合は、消費者にとっても「未知の体験」だった。今後、「プリウス人気」で盛り上がっていた販売の現場で、いまどんな変調が起きているのか?そして、ハイブリッドカーと消費者はどう向き合えばいいのか?プリウス騒動が、投げかけているものを検証する。
とある調査ではハイブリッドカーに興味を持つ人は8割。実際に買い替えたいという人は3人に2人に上っている。しかもハイブリッドのイメージとしては「エコ」が強すぎて、クルマ本来の魅力である「デザイン」や「走り」などに関する評価は低い。ホンダが独自にアンケートした結果でも、ハイブリッドについて改善してほしい点として「価格」に次いで、「走り」や「デザイン」を望む人が上位を占めた。先行するトヨタに対抗し、ホンダでは伊東新社長が陣頭に立って、対抗策を練っている。その第一弾が、クルマ本来の魅力が詰まっていながら、エコに逆行するとして各社が撤退しているスポーツカー。スポーツカーが持つ「かっこいいデザイン」「所有欲を満たすモデル」「爽快な走り」と、ハイブリッドカーが持つ「エコ」が全て両立できれば、新しいハイブリッドカーのイメージや市場を作ることができると踏む。極秘中の極秘の新型車。その名も、「CR-Z」。その開発現場に、去年、ガイアのカメラは初めて足を踏み入れた。燃費は同ランクのスポーツカーの約2倍、小型車フィットを上回り、軽自動車をも凌駕する25km/?。開発リーダーの友部了夫チーフのもと、数十人のスタッフが日夜を徹して、新しいハイブリッドの誕生を目指している。去年、インサイトを投入したあと、すぐにプリウスを投入されトヨタに逆襲されたホンダ。この車で新しいハイブリッドカーのジャンルを確立することができるのか? 半年に渡る闘いを追った。
これまでにない新しいコンセプトのクルマを売るためには、広告戦略も重要だ。車が売れない時代、車の魅力だけでなく、イメージも含めた訴求が必要になっている。「ハイブリッド=かっこいい、スポーティー」という新しいイメージをどうPRしていくか、広告戦略が練られている。しかし、自動車の販売台数は激減。若者を中心に車離れが急速に進んでいる。ハイブリッドとはいえ、スポーツカーをどうPRしていけばよいのか…。その責任者が原寛和さん36歳。「これまでの自動車メーカーのやり方は一切通用しない。車離れも消費者のせいじゃなくて、ちゃんとしたメッセージを伝えられない我々のせいでもある」と言い切る。テレビCM、新聞広告、WEBとすべてメッセージとターゲットを変えた戦略を進める原さん。その原さんが最も頭を悩ませているのが若者層だ。実は原さんは明治大学とホンダが産学協同で行ったクルマに関する講義を1年間担当していた。そこから導き出した若者と車との関係から、SNS「mixi」を使った一大キャンペーンを展開することにした。果たして若者の反応は…