日経スペシャル「ガイアの夜明け」 2月22日放送 第456回 やさしさを競え! ~ 新たな時代の商品開発 ~
これからヒットする商品のコンセプトとは何なのか。人口減少時代に突入し、メーカーには新たな発想が求められている。そんな中、エコポイントの特需が終わった家電業界では、「ユニバーサルデザイン」というコンセプトが注目されている。一言で言えば「やさしい」設計、つまり高齢者から女性、子供、メカ音痴まで、だれにでも使える魅力的な商品づくりだ。三菱電機では“トリセツ不要”の、簡単でやさしい家電製品の開発が始まった。また高齢者のニーズを掘り下げ密かなヒットとなっている「魔法の靴」など、よりユーザーに寄り添った「やさしい」商品開発の現場を見ていく。
三菱電機が打ち出した戦略が「らく楽アシスト」というコンセプト。ずばり、使いやすさの革命を目指すというもの。その背景にあるのが、2015年には4人に1人が65歳以上となる超高齢化社会だ。三菱電機には毎日のように、「リモコンの使い方がわからない」、「表示の文字が見づらい」など、家電の不便さを訴える相談が寄せられている。これまで各社が競うように進めた多機能性が裏目になっているのだ。モニター調査の結果、音声機能のニーズが高いことが分かった。三菱電機が最終的に目指すのは「取り扱い説明書」の排除だ。そのスタートとしての製品作りが始まった。今年2月に発売される、蒸気レスIH炊飯ジャーに音声機能を取り入れる。果たして、ユーザーに優しい家電はできあがるか?
去年、10万台以上売れた掃除機がある。全自動で掃除をしてくれる掃除ロボット「ルンバ」だ。価格は、安い物でも5万円弱。それが20代から30代の共働き世帯が、こぞって購入した。その理由は、スイッチひとつで勝手に掃除してくれる気安さと、自分で掃除をしなくてもいいという時間の節約だった。これを開発したのが、アメリカ・マサチューセッツに本社を置く、アイロボット社だ。実は、アイロボット社の、売り上げの7割を占めるのが軍事利用。無人偵察機や、地雷除去機がアフガニスタンやイラクで活躍している。その技術を応用して作ったのが、「ルンバ」だったのだ。日本での代理店が、東京・新宿に本社を置く、「セールス・オンデマンド」社。木幡社長は、今後、高齢者に向けて積極的に「ルンバ」を売り込んでいきたいという。現在の販売拠点は国内800。それを今年中に1500まで増やす。また、技術者を新たに採用し、アイボット社と技術情報を交換しながら、日本市場向けの新製品開発を目指す。
香川県さぬき市。田んぼの真ん中にある小さな工場。しかし、この会社から生み出される「靴」が、全国の高齢者から熱狂的な支持を集めている。徳武産業。従業員50人足らずの、この会社では、高齢者専用シューズ「あゆみ」を発売。これまで累計400万足以上を売り上げている。何故、ここまで人気があるのか。高齢者は、加齢によって、足の形が変形したり、歩き方が異なったりして人それぞれ足にマッチした靴が求められている。徳武産業では、標準的な靴が5000円程度、それに1500円ほどプラスする事で、ピッタリの靴を作ってくれるのだ。そして今、足型を自動計測する「あゆみナビ」という画期的な機械を開発。より足にフィットした靴作りが可能になった。また、高齢者だけでなく、脳卒中などで体が不自由になった人たちに向けて、リハビリ用の靴の開発が始まった。全てのヒトに優しい靴を作れ!香川県の中小企業の挑戦を追う。