星野リゾート 社長
星野 佳路(ほしの・よしはる)
星野は1960年、長野県軽井沢にある星野温泉の4代目として生まれた。バブル経済が崩壊し、星野温泉が苦境に立たされた91年に星野温泉の社長に就任する。星野は就任当初から、運営に特化した「リゾート運営の達人」という経営ビジョンを掲げ、名だたる世界の高級リゾートがライバルだとぶち上げた。世界のスタンダードサービスを導入しなければ、旅館に未来はないとして、従来の旅館の「常識」を打ち破る改革を始めた。
「時間にとらわれないのがリゾートの醍醐味」だとして、客室には時計もテレビもない。さらに「一泊二食」が旅館の常識だったが、星野は宿泊客を束縛しないように「泊食分離」の料金体系にした。宿泊客は旅館の外のレストランで食事をすることもできる。そして24時間ルームサービスが可能だ。
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
再生の達人
星野は、破たんしたリゾート施設の再生にも乗り出した。01年には、マイカルから「リゾナーレ小淵沢(山梨県)」を買収。「大人も楽しめるファミリーリゾート」というコンセプトを打ち出して、3年後には黒字化を達成した。03年には「アルツ磐梯リゾート(福島県)」、04年には「アルファリゾート・トマム(北海道)」を買収し、いずれもV字回復させた。星野は「リゾート運営の達人」としても知られるようになった。
「顧客満足度」と「利益」を追求せよ
施設の運営において星野が重要視しているのが、「顧客満足度」と「利益」の両立だ。顧客アンケートを徹底して、顧客満足度の目標値を決め、その達成を経営の最重要課題に据えた。また独自の顧客情報システムで、顧客一人ひとりに合わせた「おもてなし」に取り組んだ。顧客満足度が上がれば、当然リピーターが増える。その一方で、1人のスタッフが部屋の清掃から、受付、ウエイターと、何役もこなす「マルチタスク」を採用し、収益性の向上に努めている。
05年に星野は星野温泉旅館を改装し、非日常を実感できるリゾート、「星のや 軽井沢」として開業した。
現在、「星のや 軽井沢」は様々な媒体の調査で、常に最高の評価を得られる旅館のひとつとなった。
世界に勝て!
その星野が、2つ目の「星のや」を去年12月に開業した。場所は年間5000万人の観光客が訪れる京都。世界から集まる観光客に「星のや ブランド」をアピールするのが狙いだ。「世界のスタンダードを取り入れながらも、京都の『和』というコンセプトにこだわる」と星野は言う。カリスマが描く「進化した旅館」の姿とは、いったいどんなものなのか?そして世界は、「星のや」を高級リゾートとして認めるのか?
豊かな自然や古い史跡に恵まれ、さらに治安が良いにも関わらず、日本を訪れる海外からの観光客は年間835万人と、1位のフランスの7930万人に遠くに及ばず、28位に甘んじている。(2008年 日本政府観光局まとめ)
眠れる「観光大国」日本・・・ その変革の旗手を、村上龍が斬る!
ゲストプロフィール
星野 佳路
- 1960年長野県軽井沢町生まれ(49歳)
- 1983年慶應義塾大学経済学部卒業。
- 1986年アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院にて経営学修士号を取得。
- 1991年実家の星野温泉(現・星野リゾート)社長に就任。
- ※星野温泉旅館は軽井沢で1914年(大正3年)に開業。
- 2001年~「リゾナーレ小淵沢」「アルツ磐梯」など経営破たんしたリゾートの再生事業に進出。
- 2003年国土交通省より「第1回観光カリスマ」に選定。
- 2009年日本の宿泊施設で初めて小規模高級ホテルの国際組織「スモール・ラクシャリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)」に加盟。趣味はスキー。
企業プロフィール
- 売上高:85億円(2008年11月期)
- 施設 :「星のや 軽井沢」「星のや 京都」「リゾナーレ(山梨県)」「トマムリゾート(北海道)」「山代温泉 白銀屋(石川県)」「蓬莱旅館(静岡県熱海)」など20施設
- 従業員:約800人(2008年)
村上龍の
編集
後記
星野さんは不思議な人だ。常に冷静で、クールな印象があるが、燃えたぎるような情熱も感じる。自分ではどっちだと思いますかという質問を用意していたが、他の話題で盛り上がって忘れてしまった。きっとイメージを現実とするためには、両方が必要なのだろう。星野リゾートの洗練と快適さの背後には、星野さんをはじめスタッフの汗が輝いている。
















