社長の金言
自らの失敗を語れる人は失敗を乗り越えられる
放送内容詳細
“原則ワンプライス”がビジネスパーソンに人気
客室数で国内最大の規模を誇るホテルチェーン「東横INN」は、各店舗で“原則ワンプライス”を貫いている。閑散期と繁忙期で大幅な価格差を設けていないのだ。さらに、コンビニのおにぎり1個が200円を超えた昨今、無料の朝食は、出張で利用するビジネスパーソンにとっては大助かりだ。このワンプライスを実現するため、東横インでは、あえて同じ寸法の客室を量産し、工費やメンテナンス費を抑えている。そして、出店場所も駅近にはこだわるが、いわゆる一等地ではなく、電車で少し離れた場所に出店することで、費用を抑えているのだ。
支配人の98%が女性…長年続く、働きやすい職場づくりとは?
国内外合わせ365店舗の東横INNには、各店舗に支配人がいるのだが、その実に98%が女性支配人だ。しかも、ほとんどが地元で採用していて、専業主婦や異業種のパート従業員から転職してくる人が多いという。元々、女性支配人を積極的に採用してきたため、新人支配人を支える制度も充実していて、例えば、中堅支配人が新人支配人の相談に乗る「ひよこクラブ」は、30年以上も前から続く東横イン独自のメンター制度だ。
不祥事の会見を見て復帰を決意、父に「会社に戻ります」──
東横INNは、創業者の西田憲正が1986年、東京・蒲田に1号店を開いたのが始まり。その後、日本全国へと拡大していった。西田の長女・麻衣子は大学院修了後に東横インに入社するが、出産・育児のため退社。だが2006年と2008年と立て続けに会社を揺るがす不祥事が発生。テレビに映し出される父の姿を見て、麻衣子はまるで電流が走ったかのように「私が会社を守らなきゃ」と本能的に思い、会社への復帰を決意したという。
地元の人にも足を運んでほしい――東横イン流の地域密着とは?
東横インは出店の際、地主にホテルを建ててもらいそれを一棟借りするスタイルの経営。そのため、地主や地域の企業・飲食店とのつながりを大切にしている。さらに、休日には地域の住民を招いたクラシックライブの開催や、地元の小学生が、自分たちだけでホテルに泊まる宿泊体験など、様々な取り組みを行っている。地域とのふれあいを通して、東横インの「目指すべきホテル像」に迫る。
ゲストプロフィール
黒田 麻衣子
- 1976年東京都生まれ 聖心女子大学卒業後、立教大学大学院へ
- 2002年東横イン入社
- 2005年育児に専念するため退社 夫の仕事の都合でドイツへ
- 2008年東横インに復帰 副社長に就任
- 2012年代表執行役社長に就任
企業プロフィール
- 創業:1986年
- 本社:大田区新蒲田1−7−4
- 売上高:1439億円(2025年3月期)
- 従業員数:18868人(パート従業員含む)
- 店舗数:365店舗(海外17店舗含む)
インフラとは、家に水道が無かったらと考えないように、存在していることを意識させない存在だ。そういうものは、失って気づく。コロナ以後、高騰したホテルの宿泊代金のように、家族や恋人との突然の別れのように、加速した円安のように、あれが当たり前ではなかったのだと、全ては諸行無常なのだと。
インフラになりたい。黒田さんの言葉は、私たちが喪失し続けてきたあれやこれやをまざまざと想起させる。いつまでも変わらずそこにあるものなんてない、と思い知り続けた諦念は消えないけれど、数多の危機を乗り越え、代替わりをしてもその精神を守り続けてきた東横INNのあの青い灯りは、あらゆるものを諦めてきた私たちの仄かな希望の象徴となるのかもしれない。
青く灯る仄かな希望
金原ひとみ


















