あさひ 社長
下田 進(しもだ・すすむ)
社長の金言
何事も まず 「イエス」から入る姿勢
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
10人のうち1人が買う!日本一の自転車屋「あさひ」
店に1000台に上る自転車を整然とディスプレイする「サイクルベース あさひ」。色とりどり、スポーツタイプから幼児用まで年間販売台数は100万台を超える。日本で売られる自転車の実に10台に1台はあさひが売った計算だ。「売れる店」の秘密は、その徹底したサービス。他社が売ったどんな自転車も喜んで修理。パンクなら10分以内で完了。修理料金も店内に掲示しており、客は「安心して任せられる」と喜ぶ。下田は言う。「その地域の客にとって、なくてはならない店になることが大事なんや!」。
「売れないのはもう嫌だ!」人に必要とされる店作りの原点
下田の原点は、22歳で家業のおもちゃの販売を始めたときにさかのぼる。店をオープンしたものの、近くに大きなスーパーができると1日の売上げが1000円にもならない状態が続く。売れないことの辛さを徹底的に味わった3年間。下田は思った。「人に必要とされないことがどんなに辛いことか。人に求められないと生きている価値がない」。 起死回生の思いで取り組んだのが、自転車屋だった。自転車の販売といえば、スーパーやホームセンターの量販店(今でも7割がこのルート)。しかしその殆どが、売りっ放しで、故障しても専門スタッフもおらず直せない状況だった。下田の策は、量販店が切り捨てたサービス人材力。信頼される自転車のプロを育て、"売り手"の都合を排した"客目線"での店作りが圧倒的な支持を得て来た。
まだまだ売れる!成熟市場だからこそ、見落とされる客目線
そんな下田が力を入れているのが、「あさひ」独自のPB(プライベートブランド)自転車の開発と販売だ。例えば人気となったビジネスマン向けの自転車では、ペダルを革靴でも滑らないように樹脂をつけ、カゴは通勤カバンを入れやすくするため横幅を広いものに。大手が自転車の機能にこだわる余り、軽視して来た"客目線"のオリジナル自転車作りだ。直接設計を手掛け、中国の工場に委託して造っている。まさに自転車業界の"ユニクロ"だ。 放置自転車の問題にも取り組む下田は、自転車を本当にエコな乗り物にしたいと話す。時代の流れが向こうから、やってきた。
ゲストプロフィール
下田 進
- 1948年大阪府生まれ 63歳
- 1966年府立旭高校を卒業後、玩具卸の仲村商店に入社
- 1970年代初め自転車販売を始める
- 1975年取締役
- 1992年現職
企業プロフィール
- 1949年:創業
- 1975年:「株式会社旭玩具」として大阪市都島区に設立
- 1982年:「サイクルベースあさひ」1号店を大阪府吹田市にオープン
- 1992年:現在の「株式会社あさひ」に商号変更
- 2004年:JASDAQ上場
- 2007年:東証1部上場
- ■従業員数674人、売上高260億円、経常利益37億円(10年2月期)
村上龍の
編集
後記
初めて自転車に乗れるようになった日のことを、今でも覚えている。周囲の景色が風のように流れていき、新しい世界が開けたような気分になった。下田さんは、単に自転車を売るだけではなく、その魅力をていねいに正確に伝えることで、成功を勝ち取った。20年という長い雌伏の末に、自転車の魅力を伝える伝道師になったのだ。
















