8月...東北では仙台七夕や青森ねぶた祭りなど、本格的な夏祭りのシーズンを迎えた。
いまだ大震災からの復旧が進まない中、被災地の人々は、例年にも増す熱い思いで、祭りの開催に執念を燃やしている。
今回のカンブリア宮殿は、震災日本にパワーを与える「祭り」にスポットを当てた特別版。
今何故、人々は祭りを求めるのか?グローバル社会の中で見直される祭りの価値とは?
村上龍と小池栄子が、現地ルポを敢行。「祭り」という"復興資源"をキーワードに、震災から5ヵ月の東北から伝える。
村上龍 ―
国や地域が疲弊している今、日本人は精神的な危機にある。
そんな時こそ、祭りのように何百年も変わらず、地域社会で 生き続けている伝統行事が、大きな財産となる。
社長の金言
震災が教えてくれた“仙台七夕”
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
原点に返れ!復興の仙台七夕
終戦直後、仙台市内の商店街が復興の象徴として始めた仙台七夕。
観光資源として大規模化が進んだ一方、近年は高齢化や経済的状況から、あの大きな七夕飾りを出す商店が少なくなっていた。そんな状況を襲った東日本大震災。ある企業が被災し、仙台市民は、今年の七夕開催を諦めかけた。その企業とは、仙台七夕を地元商店に変わって作り続けてきた鳴海屋紙商事である。今や仙台市内の7割の七夕飾りを請け負うといわれる鳴海屋。その6代目鳴海幸一郎は「今年こそ絶対に開催すべき!」と本社機能を移転し、仙台七夕の開催に奔走する。そしてそんな鳴海の元に、次々と寄せられたのが「今年は七夕飾りを作ってみたい」という市民の声。震災が、仙台市民から離れていた七夕祭りを"復活"させたのだ。地域が大きく揺らいだ震災の年、復興の象徴・仙台七夕がどんな形で開催されるのか、取材した。
<村上龍特別インタビュー 鳴海屋紙商事 鳴海幸一郎氏>
千年の野馬追が"地域"を取り戻す
平将門以来、1000年の歴史を数える、相馬地方の野馬追祭り。
毎年祭りの当日は、戦国時代の出陣さながらの様相で、騎馬会の男たちが甲冑をまとい、馬にまたがり、次々に集結、甲冑競馬や神旗争奪戦を繰り広げる。しかし今年は…原発災害による立ち入り規制で、相馬地域はバラバラになってしまった。そんな中、実行委員長の南相馬市の桜井勝延市長は「縮小してでも開催する」と決断、町は開催へ向け動き出した。津波の被害を受けた甲冑や馬、もちろん家族を失った騎馬会のメンバーいる。満身創痍の中、野馬追祭りの開催へ向け、執念を燃やす人々…祭りの日、相馬の地に人々が戻って来るのだろうか?
<村上龍特別インタビュー 南相馬市長桜井勝延氏>
…その他、石巻市で行われる灯籠流しから、その進化系である青森ねぶたまで、
東北の人々が拠り所とし、進化させてきた祭りのパワーを紹介する。
村上龍の
編集
後記
伝統の祭りは地域が持つ貴重な資源だ。住民の絆と誇りと日常性を、取り戻す。甚大な被害と犠牲があった。それでも変わらずに維持されるものがあり、自分たちはこれからも何とか日々を生きていくのだと、気づく。祭りは大切で、必要だが、もちろんそれだけでは充分ではない。今欲しいのは「権限とお金です」と桜井市長は明言した。ヒューマニズムや善意だけでは解決しない過酷な現実があるが、政治家や官僚は見ようとしないし、メディアも報じない。今なお大部分が放置され、積み上げられた「瓦礫」が、まるで物言わぬ墓標のように、被災地の現実を訴え続けている。
















