社長の金言
LCCが結ぶ日本とアジアの未来
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
価格競争じゃない!新たな客を創造するピーチ
ピーチアビエーション、安さの秘密は驚く程のコスト削減にある。従来の航空会社では無料のサービスがピーチではほとんどが有料。さらにスタッフや飛行機を徹底的に無駄なく使う事で、ギリギリまでコストを切り詰める。しかしそんなピーチの利用者の大半は女性や高齢者の客。価格競争で大手航空会社から客を奪うのではなく、今まで「飛行機=高い」という固定概念で敬遠していた新たな顧客層を捕まえているのだ。そしてそんな新たな顧客を開拓するため、「韓国日帰りツアー7400円」といった斬新なプランを次々に打ち出し、飛行機を“電車”のような気軽の交通手段にするというのが、社長の井上の戦略だ。
勝利の秘密は関空にあり!
ピーチが拠点の空港として使用しているのは関西国際空港。しかも東京便がない。実は関空の方が羽田や成田よりも空港利用料といったコストが大幅に安く、さらに24時間空港のため、便に遅れが出ても欠航する事なく運行できるのだ。そんなピーチはANAが出資する航空会社。元ANAの社員だった井上は、08年に当時のANA社長から「LCCでアジアの客を獲れ!」と命じられたのをきっかけにアジア市場を徹底的に研究。座席間隔の狭いLCCでは「運行距離は4時間が限度」と判断、アジアの主要都市に4時間で行ける関空を拠点にする決断をしたのだ。その戦略が当たり、今では早朝に到着する中国方面からの便に客が殺到。関空に近い和歌山など、今まで中国人観光客が訪れなかったエリアに、続々と観光客がやってくるようになった。
異業種の人材で勝つ!ピーチのベンチャー魂
ピーチは設立以来、機長や客室乗務員などのスタッフは、年齢、性別、学歴、国籍などを問わずに採用している。例えば、現在働くCAのほとんどは、デパートや化粧品業界、教育関係社まで…ありとあらゆる異業種からの人材だ。「たばこ店の看板娘のようなサービス業に向く人材を選んだ」と言う井上だが、そうして集めたスタッフには、1人が複数の仕事をこなす「マルチタスク」制度を実施する。それは、少数精鋭のユニークな人材で、大手にはないアイデアで勝負しようという、井上流のベンチャー精神なのだ。
ゲストプロフィール
井上 慎一
- 1958年神奈川県藤沢市生まれ(54歳)
- 1982年早稲田大学法学部より三菱重工入社。中国の発電所建設に携わる。
- 1990年全日空入社。アジア営業を長く務める。
- 2008年アジア戦略室長時代に、当時ANA社長、故・山元峯生氏にLCC立上げを命じられアジア戦略室長に就任。
- 2011年全日空を退社しA&Fアビエーション(現ピーチ・アビエーション)設立
企業プロフィール
- 設立日:2011年2月10日(初就航:2012年3月1日)
- 本社:大阪府泉佐野市(関西国際空港内)
- 就航地:9都市(大阪、札幌、福岡、長崎、鹿児島、那覇、ソウル、香港、台湾)
- 利用者数:累計100万人突破(2012年11月29日)
村上龍の
編集
後記
収録が終わって雑談しているとき、井上さんが「あ、言い忘れた」と悔しそうな表情をした。何ですか、と聞くと、「ピーチが、動詞として使われるようにしたいんです」と答えた。つまり、「来週、ソウルにピーチしない?」「マカオにピーチして遊ぼうよ」というように、ピーチという言葉をさらに一般化させ、強い意味を持つようにしたいということだ。 LCCを、単なる「安売り競争」ととらえると現実が見えなくなる。LCCが象徴するのは、果てしない「自由化」だ。だから、安ければいいと勘違いしているLCCは、いずれ淘汰されるかも知れない。 必要なのは、画期的なアイデアとブランディングである。


















