年間出店数は約120店舗と、実に3日の1店という驚きの攻勢をかけているトリドール。売り上げはこの5年で3倍にまで成長、2012年度は売上高730億円、80億円の過去最高益を達成する見込みだ。
チェーン店の常識をぶち壊す様々な挑戦をしてきた創業社長の粟田。驚異のうどんチェーン、急成長の秘密に迫る!
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
チェーン店の常識をぶち壊せ!…うまさの秘密は“非効率な店”にあり
「丸亀製麺」は、釜あげうどん一杯280円と“ワンコイン”の安さにこだわる巨大チェーン。だが、中をのぞくとそこは“非効率だらけ”の店。全ての店舗に製麺機が置かれ、粉から麺を毎朝作っている。ダシも店内で昆布やカツオブシなどを使ってイチからとる。サイドメニューの天ぷらやかき揚げも、生野菜を切るところから始まる。おにぎりも機械ではなく店員が手で握る…。だから丸亀では開店1時間半前には、仕込みが始まるのだ。 粟田の創業のきっかけは、アルバイトをしていた喫茶店との出会い。「おいしいね、また来るよ」が嬉しくて、飲食業での起業を思い立つ。そこで粟田はなんと大学を中退、資金を貯めるために運送業でのアルバイトにいそしむ。そして最初に開いた店が焼き鳥の店「トリドール」だった。 「丸亀製麺」を立ち上げたのは、父親の生まれ故郷が讃岐うどんの発祥地、香川県だったため。焼き鳥店を出してから15年、試行錯誤を繰り返してきた粟田が挑む“常識破り経営”とは。
毎日来る客もいます…!店づくりの裏に“おばちゃんパート力”
「丸亀製麺」には、独自の“パート活用戦略”がある。全国にパート従業員が1万6千人いるが、去年から店長に抜擢する制度をスタートさせたのだ。今後5年で全店長をパートに切り替える方針だ。 広島・福山市の店で5年前から働く安達より子(55歳)もパート店長だ。スーパーなどでのパート経験しかなかったという安達だが、去年からは立派に店を切り盛りしている。「どうせ行くなら丸亀に行こうと言われる店になりたい」と話す安達。そんな安達の店には、驚きの常連客が。毎日同じ時間にやって来て、同じものを頼む。「他の店より好きなんです」。地元のパートのおばちゃんたちの熱い思いが、また来たくなる店を作っていた!
「なりたい自分になる」…目指せ!うどんで世界進出
2011年のハワイを皮切りに、香港、韓国、タイなどにも店を出した丸亀製麺。今年に入ってロシアにも出店を果たした。日本のうどんは果たして国境を越えられるのか?「3年後に1000店舗」を目標に掲げ、粟田は果敢に海外を目指す。
ゲストプロフィール
粟田 貴也
- 1961年神戸市生まれ
- 1982年神戸市外国語大学第2部英米学科中退、大阪 佐川急便勤務
- 1985年焼き鳥1号店「トリドール3番館・加古川」開店
- 2000年セルフうどん「丸亀製麺1号店・加古川店」開店
- 2006年東証マザーズ上場
- 2008年東証1部に市場変更
企業プロフィール
- トリドール
- 本社:神戸市
- 創業:1985年
- 年商:730億円(2013年3月末見込み)
- 社員数:572人(2013年2月末)
- パート:1万7747人(2013年2月末)
村上龍の
編集
後記
世間には、「アベノミクス」への期待が充ちている。だが、今のところ、単なる期待にとどまっていて、需要や生産性などが拡大・向上しているわけではない。ほとんどの市場はいまだに縮小傾向にある。 「トリドール」は、少ないパイを奪い合うのではなく、来店動機を高めて市場の「外」から顧客を得るという戦略を採っている。ニッチを狙うのでもない。あの店に行きたい、もう一度行きたい、人が自然にそう思うようなサービスを考えて、客の心をつかむのだ。シンプルだがとてもむずかしい。 「暖かく、懐かしいコミュニティ」を創出し、多くの客が来店することで、粟田さんは、効率至上主義から脱却し、経営者としての自由を得た。


















