最近では、東京のスーパーでも多く売られ、そのトロットした甘いソースが家庭でもうけている。
知っているようで知らないソースの話と、ソースをこよなく愛し、販売に力をいれるオタフクソースの秘密に迫る。
社長の金言
その場の利益より社内に残る財産を
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
全国各所で地割!“広島風”お好み焼き
今関東でじわじわ増えて来ているものがある。野菜のジューシーな味わいが評判の“広島風”お好み焼き店だ。小麦粉を水などで溶き熱した鉄板に薄く円形にのばし、大量のキャベツやもやし・天かす・肉を重ねるように載せてひっくり返し、蒸し焼きに。さらに焼きそばの麺・卵などを加え、関西の「粉もん」のお好み焼きとは全く違う食べ物。ヘルシーさが人気の秘密だ。 この広島風お好み焼きに欠かせないのが広島の「オタフクソース」、実は今や全国のスーパーで売られ、ブルドッグソースなど大手を追い抜き、日本一のシェアを誇っている。
そもそもソースって…!? 意外とヘルシー調味料
日本では明治大正期の洋食の普及とともに各地でソースメーカーが勃興(もとは19世紀にイギリス・ウスター市の家庭で、野菜や果物の切れ端を腐敗しないように酢や塩を加えて貯蓄したのがソースの始まり)。現在は、お酢に野菜・果実類を加熱処理し香辛料を加えて作るのだが、実はとってもヘルシーな調味料。 カロリーは、マヨネーズやフレンチドレッシングの1/6、塩分は薄口醤油の半分、さらにソース自体はノンオイル、油が含まれていないのも大きな強みなのだ。
叩き上げのソース職人が社長、仰天「お好み焼課」が全国で焼きまくる
なぜ、広島のソースメーカーが、全国ナンバー1になったのか?それは、広島風のお好み焼きとともに全国に浸透したのがきっかけだ。オタフクの社内には、採算度外視の「お好み焼課」が存在、お好み焼きの良さを知ってもらおうと小学校や幼稚園を訪問してお好み焼きを焼いたり、「キッチンスタジオ」を全国に作っては一般向けのお好み焼き講座も開催、地道に広島風を広めていくことで現在の地位を築いた。 「文化が無くても人は死ぬ訳ではない。だが非効率を理由に文化を切り捨てたら、そこには何も残らない」と、食文化の重要性を社長の佐々木は唱える。2006年には本社に6億円をかけて「Wood Eggお好み焼館」を造り、歴史から何まで学べる施設をつくるなど、目先の利益ではなく地道なファン作りを粛々と行っているのだ。
お好み焼きでみんなを幸せに…
「お好み焼きを広め笑顔をつくる」この理念の実現のため、お多福では商売として店を持ちたい人への「開業支援研修」も手掛けている。なんとこれまで全国で4500人に焼き方から開業、経営者としてのノウハウまでも手ほどきして来た。実は関東でも広島風が増えて来ているのは、オタフクのこんな取り組みもあったのだ。
ゲストプロフィール
佐々木 茂喜
- 1959年広島生まれ
- 1982年入社、製造課でソース作りに邁進
- 1998年東京支店長
- 2005年社長に就任
企業プロフィール
- 創業:1922年
- 売上高:218億円(12年9月)
- 社員数:535人
村上龍の
編集
後記
スマホやタブレット型端末など新しいデバイスが次々に登場し、日常もビジネスもめまぐるしく移ろい、変化に適応しろ、自らを変化させろ、変化に取り残されるな、そんなプレッシャーにせき立てられる、それが、現代だ。だが、故郷の海や山々のように、いつも変わらずそこにあり、懐かしさを感じるものがなければ、わたしたちの神経は参ってしまう。「お多福ソース」と佐々木さんは、お好み焼き一筋だ。他には目もくれない。ただひたすら、微妙で、繊細な「甘さ」「味」を追求する。おいしいソースがかかったおいしいお好み焼きで人々を和ませたい、幸福にしたい、佐々木さんは、それだけを考えている。


















