しかし店内に入ると、そこには驚きの光景があった。
天井には巨大なクジラの模型が泳ぎ、手作りのぬいぐるみや絵が飾られている。
その店は、食品スーパー「ハローデイ」。福岡県を中心に40店舗を展開する。スーパー業界が売り上げの減少に苦しむ中、20年近く増収増益を続けてきた。
価格競争とは一線を画し、安売りには頼らない。それで、なぜ売り上げが伸びるのか?
その背景には「従業員が楽しく働くことで良い店をつくる」というハローデイ独自の風土があった。
加治敬通社長が目指すのは「日本一働きたい会社」。そのユニークな経営の全貌に迫る。
社長の金言
仕事を楽しく思えたら
人生はめちゃくちゃ楽しい
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
楽しいだけじゃない! 売れる店舗づくりの秘密
ハローデイは自分たちの店をスーパーとは呼ばず“アミューズメントフードホール”と自称するほど、楽しい見せ方に徹底してこだわっている。店内のデコレーションだけでなく、野菜や果物を巨大ティーカップに入れるなど、商品の見せ方にも工夫を凝らす。 しかし重要なのは見た目だけではない。たとえば、果物コーナーの横には高級ジュースを陳列。すると、売り上げが大きく伸びたという。肉や魚も店内で様々な形に加工し、付加価値を高める。 独自の手法で商品の魅力をアピールし、客を買う気にさせる。ハローデイの売り場づくりの秘密を探る。
パートのおばちゃんたちが店づくりを競う
ハローデイの店舗は、店ごとにディスプレーや品ぞろえが違う。実は、各店舗で働くパートの女性従業員たちが飾り付けや商品づくりを自主的に考えているのだ。パート従業員がなぜ、そこまでやる気になるのか。そこには、加治の苦い経験が反映されている。 父親が経営していたハローデイに加治が入社したころ、会社は赤字で巨額の借入金を抱えていた。加治は現場で改革を断行。経営は上向いたが、社員の心は離れ次々と辞めていく。自分のやり方に悩んだ加治は、あることをきっかけに考えを改める。そして「規模の大きな会社でなく、日本一働きたい会社」を目指すようになったという。 従業員に「客に楽しんでもらえ。そのためには自らが仕事を楽しめ」と繰り返す加治。その経営論に迫る。
ゲストプロフィール
加治 敬通
- 加治 敬通(かじ・のりゆき)ハローデイ 社長
- 1964年福岡県苅田町生まれ
- 1987年駒沢大学卒業
静岡の食品スーパーに入社 - 1989年ハローデイ入社
- 2008年社長に就任
企業プロフィール
- ハローデイ
- 設立:1958年12月
- 本社:福岡県北九州市
- 売上高:658億円
- 従業員数:正社員1162名、パートナー・アルバイト4368名
- 事業内容:スーパーマーケット経営
村上龍の
編集
後記
ハローデイは、「お客を楽しませるために、まず従業員が楽しむ」という基本姿勢で、増収増益を続けてきた。 だが、「楽しむ」のは、それほど簡単ではない。酒を飲んで歌ったり踊ったりという楽しさとはニュアンスが違う。 企画・アイデアを考え、協力し合って実行し、達成感と充実感を得て、お客の幸福感に寄与する、そういったことだ。 「他人の幸福に寄与することで自分も幸福になる」という考え方を、加治さんはビジネスの根本に据え、成功した。面白おかしいだけの「楽しさ」はやがて飽きる。だが、ハローデイが目指す「楽しさ」は、決して飽きることがない。


















