RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
朝採れた野菜がすぐ店頭に! 農家と消費者を結ぶ新流通システム
ショッピングモール内の大規模店からコンビニ規模の小さな店まで、東京都内でファームドゥが展開する店に並ぶ野菜のほとんどは群馬県の農家から届けられたものだ。ファームドゥは約5000軒の農家と契約し、群馬から首都圏へ毎日野菜を出荷している。独自の配送システムによって、できる限り収穫から24時間以内に消費者のもとに届くようにしており、早ければ早朝に収穫した野菜がその日の朝の開店までに店頭に並ぶ。ニンジンやネギなど、品種ごとに多い物では10種類程度の豊富な品ぞろえがある。また、その全てに出荷日や生産者名が記されている。農作物の一般的な流通ルートである農協とファームドゥの違いは、農家が自分で価格を決められること。また、少量での持ち込みでも、曲がった野菜などの規格外品でも受け付ける。小規模農家は異口同音に「ありがたい存在」だと語る。
農家目線の信頼関係が農業の新たな可能性を拓く
日本の農業改革でメディアに取り上げられ話題となるのは、自立した強い農家が集まる産直市場や加工や販売まで手がける農業集団が多い。しかし岩井は、高齢者が中心で単独では自立が難しい中小零細農家の目線に立ってビジネスを展開する。 脱サラした岩井が興したファームドゥはもともと、農業資材専門の販売店だった。それまで農家が個別に買いそろえていた種や農薬、草刈り機などを1カ所で買える店として農家の支持を得て店舗を拡大。その後、「作った野菜を店で売ってほしい」という農家たちの声をきっかけに、野菜の直売を開始した。そんな岩井のビジネスの原点は、農業を営んでいた両親にある。厳しい養蚕の労働に耐えていた母、作物を安い価格でしか買ってもらえず苦労していた父…。そんな両親の背中を見て育った岩井は、起業してから中小零細農家に様々なニーズがあることに気づき、農家が喜ぶようなビジネスの仕組みを次々に考え出していった。そうして築いてきた農家との信頼関係が、ファームドゥを支えている。
モンゴルでニッポン流野菜作りに挑戦
岩井はいま、様々な新しい取り組みを始めている。その一つが、耕作放棄地を農家から借り上げて行う太陽光発電。農家には土地の賃貸料、ファームドゥには売電収入が入る。さらに、太陽光パネルの陰でも育つ野菜を栽培する。放置されていた土地を使って、一石二鳥、いや一石三鳥の効果を生もうとしているのだ。新たな取り組みは、モンゴルでも始まっている。首都ウランバートル郊外で地元企業と共同で農場を立ち上げ、野菜作りに着手したのだ。モンゴルで流通している野菜は中国産が中心だが、富裕層の増加と健康意識の高まりで、より高品質の野菜に対するニーズは増している。日本の技術を使いおいしい野菜を作れば、もっと市場は拡大できる…。日本の農業の可能性を見出そうとする岩井の挑戦の場は、海外にも広がっているのだ。
ゲストプロフィール
岩井 雅之
- ファームドゥ 代表取締役社長
- 1954年農家の3男として群馬県に生まれる
- 1994年ホームセンター勤務を経て農業資材販売店開業
企業プロフィール
- 設立:1994年2月 本社:群馬県前橋市
- 連結売上高:73億5000万円(2013年2月期)
- 従業員数:494人(うち正社員約70人)
- 事業内容:農業資材専門店、農産物直売所の運営
村上龍の
編集
後記
なぜ野菜の直売所は成功例が多いのか。新鮮だからだ。「野菜のおいしさで、 新鮮さという要素は何割を占めるのですか」収録の冒頭、岩井さんに聞いた。答 えは「八割」だった。高級食品店のバカ高い輸入野菜より、近くで採れた新鮮な 野菜を食べるほうが合理的なのだ。直売の弱点は商圏の狭さだが、ファームドゥは、自前の物流を持つことで販路を拡大した。「農業を支援し、農家の所得 向上に貢献する」何というシンプルな理念だろう。だが、真実は、常にシンプル だ。農業が「かっこいいビジネス」になるまで、ファームドゥの快進撃は続く。


















