カンブリア宮殿

村上龍 × 経済人

10001054

テレビ東京系にて放送中

2014717日放送

札幌で絶大人気スイーツ店の秘密!
危機から生まれた幸せ企業戦略

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きのとや社長
長沼 昭夫(ながぬま・あきお)

「迷ったらきのとやにすれば、間違いない」。
こう客に言わしめるほど地元から絶大な支持を得ている人気のケーキ店、きのとや。
日本経済が不況に苦しんだこの10年も右肩上がりの急成長を遂げ、札幌市を中心とした9店舗ながら37億円を売り上げる。大成功のきっかけは、業界初のケーキの宅配。だが過去には致命的な失敗も...。そして長沼が行き着いたのは、社員を幸せにする企業戦略の追求だった。地域に根差しアイデア力で成長を続ける、オンリーワン経営術を探る!

社長の金言

社員が誇れる会社を共につくる

RYU'S EYE

座右の銘

放送内容詳細

知られざる北のケーキ店…業界の常識を打ち破る地域密着型経営

石屋製菓や六花亭、ロイズなど全国的な知名度を誇るスイーツ王国・札幌。その中で、地元の人が足しげく通う店がある。札幌近郊を商圏とするケーキ店「きのとや」だ。その人気の秘密は“作りたて”のケーキ作りにある。通常、数日前に注文しなければいけないホールケーキでも、その場で注文すれば、売場に併設された工房で10~15分待つだけですぐに作ってくれる。だから新鮮なケーキをいつでも持ち帰ることができるのだ。 “新鮮さ”へのこだわりは、ホールケーキだけではない。売場に常備されているショートケーキでも1日に5~6便に分けて店舗へ配送する徹底ぶりだ。配送便の回数が多くなると、必然的に製造の回数も多くなる。製造工場でのケーキ作りは機械化されているかと思いきや、生地作りからデコレーションまでほぼ全ての行程で職人による手作業で製造が行われている。この熟練のケーキ職人の技が、機械では作ることのできない味を生み出している。 さらに人気の秘密は、日本初の“宅配サービス”だ。送料一律300円(税抜き)で、札幌市近郊にケーキを配達してくれる。冬の厳しい北海道ならではのサービスが受け、年間の宅配件数は4万件を誇る。 こだわりのケーキ作りだけでなく、地域に根付いたサービスで成長を続けるきのとや。業界の常識を打ち破る、地域密着型のスイーツ戦略の真髄に迫る!

“売り上げ”よりも“安全・安心” 失敗から生まれたきのとや流 経営術

北海道の地元民に圧倒的な知名度を誇る「きのとや」。しかし、その道のりは決して順風満帆ではなかった。 創業2年目から始まったケーキの宅配サービスも、翌年のクリスマスでは生産能力以上の受注を抱えてしまい、予約日に間に合わせることができず、お詫び行脚。 さらに1997年にはサルモネラ菌による食中毒事故を起こしてしまう…。この事故をきっかけにきのとやは、「おいしさ」に優先する、「安全・安心なケーキ作り」を掲げるように。工場の壁には「あの日を忘れない」と、事故を起こした日付が今も大きく書かれている。 そして長沼が行き着いたのは、「従業員を大切にする会社」だった。誕生日の月には、会社から1万円の祝い金と特別休暇が与えられる。長沼は「両親など大切な人と食事でもして欲しい」。そして2カ月に1回5000円分のケーキ券が配られ、年間3万円分の自社のケーキを買うことができるのだ。このような社員に対するサービスには、きのとやならではの狙いがあった…。

札幌をスイーツ王国に!長沼社長が目指す地域活性に密着

きのとやを北海道屈指のケーキ店へ成長させた長沼。しかし、目指しているのはきのとやの成長だけではない。札幌の地域活性のため行っているのが「さっぽろスイーツコンペティション」。毎年、北海道の約80の洋菓子店が集い、出品したオリジナルのスイーツの中からグランプリを選ぶ大会だ。大会の特徴は、グランプリに選ばれた作品はレシピを公開し、大会に参加した各店舗がアレンジを加えて販売できる、という点。自社の拡大だけでなく、地域活性で札幌を盛り上げる長沼が目指すスイーツ王国とは?

ゲストプロフィール

長沼 昭夫

  • 1947年札幌市生まれ、北海道大学水産学部卒業
  • 1983年「洋菓子きのとや」を札幌市白石区に創業
  • 2002年札幌洋菓子協会会長に就任
  • 2006年スイーツ王国さっぽろ推進協議会会長に就任

企業プロフィール

  • 株式会社きのとや
  • 1983年創業
  • 本社:北海道札幌市
  • 社員:200人
  • 売上高:37億円(2013年度)
  • 札幌市を中心に9店舗

村上龍の
編集
後記

「人は石垣、人は城」という言葉を残したのは武田信玄だ。「人は力なり」というその教えは、今、ますますその重要性を増している。「きのとや」は、全国展開の大手、有名パティシエの高級店、街中にある家庭経営のブティック店、そ のいずれでもなく、しかもそれらのいい部分を併せもつというむずかしい課題に 挑み、大成功を収めている。その基盤は、従業員への、徹底した動機付けである。「作れば売れる」という時代が終わって久しい。今は、ミもフタもなく良い商品と良いサービスが求められ、従業員の団結力とプライドがそれを支えることになる。従業員が自社に誇りを持つ、それは、業種・規模を問わず、あらゆる企業の、サバイバルの必須条件となっている。

村上龍

読んで分かる「カンブリア宮殿」コラム

JMM Japan Mail Media 編集長 村上龍

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