社長の金言
“循環する社会”を日本からつくる
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
世界74カ国にエンジンを売る!独自技術でグローバル企業に成長
会宝産業は年間1万4000台の自動車を解体している。精緻な解体技術で取り出された部品は状態もよく人気が高い。実に売上げの75%を海外輸出が占めている。石川の小さな町工場がいかにして世界をまたにかける企業へと成長をとげたのか。その秘密は、同業者の追随を許さない徹底したIT化だ。 中古部品全てをバーコードで管理。データを見れば、車の年式や走行距離などを一目で見ることができる。さらに品質を保証する独自の規格を作り、客から信頼される商品を生み出した。さらに自社の在庫の管理データを海外でも見ることができる独自のシステムを構築。海外のどこからでも、部品を購入することが可能になった。しかしそれでも、いち早く良い部品を手に入れようと、泊まりこみでやってくる海外バイヤーもいる。バイヤー達は コンテナの中に出来る限りの部品を詰め込み、少しでもお金に変えようと必死だ。日本からのコンテナを追って行き着いたのはロシアのウラジオストク。街を走る車の9割が日本の中古車だ。街には車の中古部品を扱う業者が200近くも点在する。そこでは驚くべき光景が。日本から仕入れた中古部品が仕入れ値の3倍近くの値段で売られているにも関わらず、現地のドライバーは次々と部品を買い求めていた。さらになんとロシアではエンジンを丸ごと積み替えて再利用しているのだ。日本でゴミとされる部品が海外では宝へと姿を変える現実があった。
解体業を誇りあるビジネスに!
社長の近藤は22歳で同社を設立して以来、裸一貫で町工場をグローバル企業へと成長させた。世間から冷たい目で見られてきた自動車解体業の現実を味わいながら、常に近藤の心の中にあったのが誇りある仕事として解体業を認知してほしいという思いだった。近藤は『あいさつ日本一、きれいな工場日本一』を掲げ徹底的に社員教育に力を注いだ。業界を底上げするために車の解体技術者の資格を作り、人材育成の研修センターも立ち上げた。さらに海外からの幅広いニーズに答えるため、近藤の提案で全国にある20の自動車解体業者が連携。茨城の解体業者は会宝産業と部品の在庫を共有することで約2億円売上げを伸ばした。そこには競争ではなく強調することで収益を大幅に増加させるカラクリがあった。そして今では儲けだけの追求ではなく、解体業をエコ活動として誇り高いビジネスとして考え業界全体の意識を高めている。
日本の優れた解体技術を世界に発信!町工場から地球を変える!
近藤の目は海外にも向けられている。途上国で廃車が不法に山積みにされている現実を知った近藤は、日本の進んだ自動車解体技術を海外の途上国に伝えようと考えたのだ。アフリカでも最も人口の多い国ナイジェリア。国を走る約3割の車が中古の日本車だ。この国では使われなくなった車が廃棄され、自動車部品がゴミとして山積みになっている。しかし日本の優れた解体技術を使えばゴミが新たな資源へと生まれ変わる。日本の解体技術を一から教える取り組みがはじまった。
ゲストプロフィール
近藤 典彦
- 1947年石川県生まれ。高校卒業後、東京の自動車解体業で修行を積む。その後石川県に戻り、22歳で『近藤自動車商会』を設立。92年に社名を『会宝産業株式会社』に改めてから、使用済みのエンジン、部品を再生させて国内外で販売するビジネスで業績を飛躍的に伸ばしてきた。自動車リサイクルを通じた環境保全への貢献を目的とするNPO団体RUMアライアンスを立ち上げ、18の同業者と共に環境保護の思想を広める啓蒙活動を行っている。
企業プロフィール
- 会宝産業(かいほうさんぎょう)
- 売上げ:27億円(2013年12月期)
- 従業員数:85人
- 販売先:74カ国
村上龍の
編集
後記
グローバルビジネス、かっこいい言葉だ。だが、グローバルと聞くと、わたし たちは、たいてい先進国をイメージする。会宝産業は、「宝に会う」という会社 名そのまま、廃車・中古車の部品を、貴重な宝に変え、おもに途上国と取引して いる。小さな会社だが、英語はもちろん、ロシア語やスペイン語、中国語を話すスタッフをそろえ、在庫・販売履歴をITで一括管理し、部品すべてにバーコー ド付きのタグを付けて、「静脈産業」として信頼を高め、しかもアフリカなどで 自動車のリサイクルを指導している。リサイクルによる地球規模の環境保全、そ れは中長期的に莫大な価値を生むはずだ。わたしは、会宝産業こそ、真のグローバル企業だと思う。


















