カンブリア宮殿

村上龍 × 経済人

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テレビ東京系にて放送中

テレ東BIZで配信中

2015326日放送

究極の地産地消で小さな経済圏を作れ!
全国最大級の農産物直売所の『規格外』戦略

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さいさいグループ代表
西坂 文秀(にしさか ふみひで)

愛媛・今治市にある農産物直売所「さいさいきて屋」。地元の言葉で「何度も来て」という店名の通り、客を圧倒する豊かな品揃えを目当てに、今や年間120万人が訪れる全国最大級の直売所として知られる。地元客だけでなく、わざわざ泊りがけで買いに来る客もいるほどの人気だ。一体なぜこれほど活況の直売所が、タオルと造船の町に生まれたのか。そこには高齢化する農業を逆手に取った独自の仕組みと直売所が地域社会をつなぐ核になろうという「規格外」の発想があった。

社長の金言

小さく回す経済が
地球を救う

“55歳からの農業”を
日本の未来の力に

RYU'S EYE

座右の銘

放送内容詳細

売上高27億円!工業の町で人気の農産物直売所

瀬戸内海に面したタオルと造船の町、愛媛県今治市。地域は山と島々で平地は狭く、15年ほど前まで農業は農家の高齢化とともに衰退する一方だった。そこに今、日本最大級の農産物直売所「さいさいきて屋」がある。商圏人口は、たった10万人だが、年120万人が訪れ、売上高は27億円に上る。旬の野菜や名産品の柑橘類から瀬戸内海の魚まで地元の食材が圧倒的な量で並び、併設カフェでは、アンバランスなほど巨大イチゴが山盛りのケーキが飛ぶように売れていた。今治のイチゴをおいしく食べてもらおうというデザートで、あくまでも主役は地元のフルーツなのだ。

原動力は高齢農家のやる気!

出荷農家1300人のほとんどは、兼業、小規模、高齢などの「農業弱者」。この農産物直売所を企画したJAおちいまばりの西坂文秀さんは、1999年ごろ高齢化と共に地域の農業が衰退し《農協に農家が来なくなっている》ことに愕然とする。大量に生産する専業農家が減っていたからだ。その現実を見て「これから地域の食と農を支えてゆくには兼業農家に活躍してもらう場が必要だ」と考える。そして、少量しか生産しない兼業農家に「きゅうり一本でも出してほしい」と呼びかけ、2000年に小さな直売所を始めた。すると、栽培した野菜を自分で値付けし自身の名前を付けて売る喜びに、農家が目覚めた。店には、少しでも良い売り場を確保しようと早朝から農家の行列ができるほどだ。高齢農家の「やる気パワー」が、直売所の豊かな店頭を生み出していた。さらに、そうした高齢農家の姿を見た若者が農業に参入するケースも増えている。

目指すは「日本一売れ残りの少ない直売所」!

出荷農家は、夕方売れ残ったものを持ち帰るルール。西坂はある日、出荷農家でもある母親からこんなことを言われた。「出荷する時に運ぶホウレンソウ70束より、売れ残った4束の方が重い」。それまで売り上げを上げることばかりに集中していた西坂は、「売れ残りゼロを目指す」ことに方針を転換する。そして、売れ残りの野菜をパウダーにする工房を建設するなど、出来る限り売り切る方法を模索した。さらに、幼稚園や小学校などに料理や食材を提供し販路も拡大している。

農産物直売所が「小さな経済圏」を作る!

「さいさいきて屋」は、高齢の農家に販売の道を開いただけでなく、買い物に不便な島などに暮らす高齢者、いわゆる「買い物難民」を手助けしようと、ネット通販も始めた。農家と消費者を結ぶために、さらに一歩踏み出した農産物直売所。目指すは、地域社会をつなぐ核となり地産地消を究めて、小さな今治の経済の中でお金が回るようにしていくことだという。

ゲストプロフィール

西坂 文秀

  • 53歳。岡山商科大学、経済・経営学部卒後JAに就職。共選・共販の最前線で活躍していたが、管理職になり全体のデータから「農家が農協に来なくなっている」実情に気づいて直売所を企画運営。

企業プロフィール

  • 2000年設立。現在の来客数、年間120万人。売上高、27億円。登録農家1300人  従業員140人 (パート含)

村上龍の
編集
後記

「さいさいきて屋」は、地域に根ざし、農家と地場産業と消費者をつなぎ、 「自立した小経済圏」を確立した。コミュニティとしての機能も、さらに食の流通拠点の役割も果たしている。だが、西坂さんは、「他の地域で同じモデルは作れません」と言い切る。地域によって気候も風土も違う。「さいさいきて屋」の コピーは意味がない。だが、学ぶところはある。農家が、生産する喜びを取り戻すためには何が必要なのか、考え抜くということだ。丹精込めて作られた農産物 に敬意を払う、すべてはそこからはじまるのではないだろうか。

村上龍

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