カンブリア宮殿

村上龍 × 経済人

1161155

テレビ東京系にて放送中

201647日放送

日本のスゴイ工場を発掘!急成長の『工場直販』ブランド

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ファクトリエ 代表
山田 敏夫(やまだ としお)

急成長するアパレルブランド「ファクトリエ」。メイド・イン・ジャパンが売り物だが、代表の山田が全国各地を訪ね歩いて見つけた"スゴイ縫製工場"の直販という異色のブランドだ。今や日本の衣料品の国産比率は3%まで激減。縫製工場が次々と消える中、海外の有名ブランドが生産を委託するほどの技術を持つ工場も多い。日本の優れたモノづくりを再生させたいと山田が立ち上げたのが「ファクトリエ」なのだ。商品のタグには生産する工場の名前を入れ、しかも販売価格を工場が決めるユニークな仕組みを導入している。「モノづくり再生」に立ち上がった山田の情熱に迫る。

社長の金言

“やらないリスク”より
“やるリスク”を取れ

RYU'S EYE

座右の銘

放送内容詳細

モノの価値を超える職人ストーリーも提供

ファクトリエの立ち上げは2012年。全国34の提携工場が作った衣料品をネットで販売している。多くの工場が海外の高級ブランドに商品を卸す高い技術を持っているという。国産で高品質の衣料品がリーズナブルな価格で買えると人気を集め、創業わずか4年で売上高は年10億円を超える勢いだ。商品のタグには工場の名前が入っていて、商品ごとに工場や職人のストーリーを紹介。工場見学ツアーまで開催し、単なるモノ以上の価値を消費者に提供している。さらにユニークなのが、工場が販売価格を決めることだ。しかも工場側の取り分は、なんと半分。これまで下請けだった工場が、惜しみなく自身の技術を投入することができる。しかも、職人たちのやる気もアップするのだという。

スゴイ工場発掘に密着!始まりはタウンページ

34の提携工場を見つけたのは山田だ。一体どうやって発掘したのか。たとえ海外ブランドの服を生産していても工場は公にすることはできない。そこで山田は、縫製が盛んな地域を夜行バスで訪ね、公衆電話の電話帳「タウンページ」で縫製工場一軒一軒に電話をかけたのだ。そして現場を訪ねて、優れた技術とやる気を持つ工場と提携していったのだ。これまでに訪ねた工場の数は500以上。誰よりも生産現場を知り尽くしている山田だが、今もそのやり方は変わらない。工場発掘の旅は続いている。

職人の後継者育成も手助けする長期戦略

ファクトリエと提携する工場が抱える問題が、職人の高齢化と後継者不足だ。そこで山田は昨年から「工場サミット」と銘打ち、地方工場の担当者と服飾製造に興味のある学生を集めたイベントを始めた。いわば工場の会社説明会だ。工場の若い労働力確保にも積極的に関わっている。

ゲストプロフィール

山田 敏夫

  • 1982年熊本県生まれ 老舗婦人服店の次男
  • 2006年中央大学商学部卒業後IT企業に就職
  • 2012年ファクトリエ創業
  • 2014年中小企業基盤整備機構「新ジャパンメイド企画」審査員

企業プロフィール

  • 2012年資本金50万円で山田が1人で創業
  • 2014年伊勢丹三越からの招致で催事に出店
  • 銀座に商品の試着スペースを開設
  • 2015年年商2億5千万円を突破

村上龍の
編集
後記

山田さんに、意地悪な質問をした。「日本発の本物のブランドって必要なんでしょうか」彼は困った顔になり、しばらくして「そんなこと考えたこともありませんでした」と答えた。正解だと思った。正統的な挑戦者は、「果たして自分の挑戦に意味があるのか」という迷いなどなく、逡巡もしない。まず行動に移す。プレゼントされたネクタイを、さっそく収録に使わせていただいた。気をつかってそうしたわけではない。気に入ったからだ。イケメンでシャイな挑戦者は、誠実に、果敢に、着実に、目標に近づいている。

村上龍

JMM Japan Mail Media 編集長 村上龍

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