カンブリア宮殿

村上龍 × 経済人

10001054

テレビ東京系にて放送中

2016512日放送

「みそかつ」を名古屋名物に!
人情女将の細腕繁盛記!

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矢場とん 女将
鈴木 純子(すずき じゅんこ)

"名古屋めし"の代名詞の一つ「みそかつ」。その人気に火を付けたのは「矢場とん」という1軒の大衆食堂だった。今や年間237万人の客が押し寄せ、タイや台湾にも出店するほどの快進撃を続ける「矢場とん」。その成功を築いたのは、創業家に嫁いできた一人の女将。社員と家族の様な信頼関係を築き、外食では驚異的な離職率の低さを誇る、矢場とん流"超家族経営"の秘密に迫る!

社長の金言

「もらいたい人」から
「あげられる人」へ

RYU'S EYE

座右の銘

放送内容詳細

「みそかつ」を名古屋名物に。その立役者は…素人女将!

愛知県名古屋市を拠点に、高速道路のサービスエリアから東京駅の地下街まで、大行列をなす人気店「矢場とん」。 創業は1947年。当時は名古屋で1軒の大衆食堂に過ぎなかった店は、今や国内20店舗、海外にも3店舗を出店するほどに成長を遂げた。街の大衆食堂を、全国的な一流のとんかつ店へと変貌させたのは、創業家2代目に嫁いだ現在の女将・鈴木純子だ。女将は店の暖簾や食器を変えることに始まり、コメや肉などの食材、レジシステム、さらに取引銀行や税理士も変えるなど、様々な改革を実行。それまで男性客が大半だった大衆食堂は、女性客も入りやすい「みそかつ店」に転換、客の舌と心をつかむ。

社員の家庭事情にまで精通!人情女将の“超家族経営”

女将の改革で一変したのが、従業員のやる気に火がついたこと。それまで、無断欠勤や遅刻の常態化など、職場の規律が乱れていたが、女将は従業員の母親的な存在を目指し、様々な仕組みを作った。各店舗の従業員と悩み事や問題点を交換する日報制度を作り、また定期的に従業員の家族を含めた三者面談まで行う。その結果、女将は、社員の家庭の事情から恋愛のことまで精通。まさに母子のような関係で社員との関係を築いている。大卒3年以内の離職率が50%を超える外食業界で、「矢場とん」の離職率は9%と圧倒的に低い。女将流の家族経営術、また人身掌握術に迫る。

社員がカンボジアに学校を作った!驚異の人材力の秘密

「矢場とん」の従業員たちは、長年にわたり国際的な慈善活動を行っている。それは、カンボジアで新設する学校の建設費を支援すること。その費用は、店で出る無料のマカナイ飯に対し、従業員が自身で決めた金額を毎食、募金として支払うシステムから捻出。2008年に小学校1校を設立させ、既に4校が開校している。きっかけは、2002年に女将が、カンボジアのアンコールワットを訪れた時。物乞いをする子供たちの姿に衝撃を受け「カンボジア小学校建設プロジェクト」を立ち上げた。従業員は、定期的にカンボジアの学校を訪れ、子供たちに特別授業を行っている。

ゲストプロフィール

鈴木 純子

  • 1947年愛知県名古屋市生まれ
  • 1971年矢場とん二代目・鈴木孝幸氏と結婚
  • 2001年名古屋駅に初出店
  • 2008年カンボジアに1校目の学校設立

企業プロフィール

  • 本社 :愛知県名古屋市中区大須3-6-18
  • 創業 :1947年 国内20店舗 海外3店舗
  • 年商 :約37億円
  • 資本金:1000万円
  • 従業員:376人

村上龍の
編集
後記

まるで朝ドラの主役のような人だった。「矢場とん」は、世界中に拠点を持つ巨大メーカーではないし、何百という店舗展開をする外食チェーンでもない。だが、「女将」が実行したのは、あらゆる企業の参考となり得る、普遍的で、かつ画期的な改革だった。ボトルネックを発見し、今できることを考え、プランを練り、行動に移しながら、次のポイントを決め、少しずつ、持続的に変化を実現していく。鈴木純子女将による「矢場とん」再生は、当たり前のことを、実際にやり抜くことが、いかに重要で、むずかしいかの証しである。

村上龍

読んで分かる「カンブリア宮殿」コラム

JMM Japan Mail Media 編集長 村上龍

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