社長の金言
人と人のつながる力を忘れない福祉
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
注目のスポット“ごちゃ混ぜ”施設「シェア金沢」
<高齢者が安心して暮らし、生きがいが持てる街>
シェア金沢で、住民の半数以上を占めるのは32戸のサービス付き高齢者住宅に住む高齢者。住まいは1LDKにキッチン、バストイレ付きで家賃と共益費、さらに毎日の安否確認など「見守り」のサービスがあり、計12万円ほど。栄養面を考慮した手作りの朝食と夕食のサービスもあり、住人から評判が高い。2年前、配偶者に先立たれた鈴木総七郎さん(74歳)は、神奈川県からシェア金沢へ移住して来た。鈴木さんは、日々、敷地内にある畑で野菜作りに汗を流し、さらに、施設内の高齢者向けデイサービスでも働きはじめた。シェア金沢で、生きがいを持ちながら有意義な生活を送っている。
<学生も障がい者も、みんなが“ごちゃ混ぜ”>
シェア金沢には、学生や障がい者も暮らしている。学生用住宅は光熱費込みで家賃は4万円と割安。その条件として、シェア金沢内で月30時間のボランティア活動が課せられている。例えば、高齢者の入浴介助や、対話など。高齢者と若者が交流する恰好の場になっているのだ。一方、障がい者も温泉やレストランで、健常者と一緒に働いている。シェア金沢では、障がい者40人の雇用も生み出している。
様々な人たちが、ごちゃ混ぜに触れ合う空間を作ったのが、「佛子園(ぶっしえん)」理事長、 雄谷良成(おおや・りょうせい)だ。シェア金沢を運営する佛子園は、雄谷の祖父が、戦災孤児や障がい児などを預かり、1960年に創設された。雄谷はそうした子ども達と、ひとつ屋根の下で一緒に育った。「障がい者が隣にいて当たり前の場を作りたい」。雄谷の思いを具現化したのがシェア金沢なのだ。
ごちゃ混ぜの原点・西圓寺の奇跡
石川県小松市にある、佛子園が運営する福祉施設「西圓寺(さいえんじ)」。廃寺となっていたスペースを、雄谷が再建し、住民が集う憩いのスポットに。ここは、子供からお年寄り、そして障がいを持つ人でいつも賑わっている。西圓寺には、天然温泉やカフェ、酒場、そして高齢者や障がい者向けのデイサービスもある、まさに“ごちゃ混ぜ”の空間。ここでも、障がい者向けに様々な雇用の場を設けている。シェア金沢の原点とも言える場所なのだ。西圓寺が廃寺から生まれ変わり、住民の世帯数も少しずつ増えているという。
全国に広がる佛子園の町づくり
雄谷が提案する「高齢者や障がい者が一緒に支え合う街作り」は、全国に広がり始めている。東日本大震災で被災した宮城県岩沼市もその一つ。この春、被災した住民1000人が、仮設住宅から高台の新しい町(玉浦西地区)へ集団移転を完了させたばかり。新たな街作りの核となっているのが、佛子園方式だ。野菜の出張販売など、障がい者向けの雇用を生み、さらに、被災した土地に羊を飼い、地域の人々が交流する場をつくり出している。生きがいを持ち、人々が触れあい支え合えるコミュニティ作りが始まっている。
ゲストプロフィール
雄谷 良成
- 1961年金沢市生まれ。金沢大学卒業後、特別支援学校の教員を経て、青年海外協力隊としてドミニカへ。帰国後、北國新聞社に入社。
- 1994年実家の佛子園に戻り、事業を展開。
- 2014年シェア金沢オープン
企業プロフィール
- 所在地: 石川県白山市北安田町548番地2
- 売上高: 20億5500万円(2015年度)
- 職員数/ ●正規職員:172名 ●パートタイマー:282名
村上龍の
編集
後記
「ごちゃ混ぜ」を、こむずかしく言い換えると「共生」となり、きまじめなニュアンスになる。障がい者、高齢者、それに子どもたち、同じ地域で生きるのは非常にむずかしい。おそらく「きまじめ」だとうまくいかない。雄谷さんは、スタジオでも、「こんなこと言っちゃっていいんですかね」という感じで、笑顔が絶えなかった。「やってあげる」「やってもらう」がベースの福祉は、やがて破綻する。世の中にはいろいろな人がいて、それぞれ助け合って生きている、だから社会的に必要とされない人は存在しない、「佛子園」の哲学は、人の原点である。


















