社長の金言
都会は「捨てる文化」 田舎は「拾う文化」
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
過疎の町から日本の暮らしを提案
CCCが手がける湘南T-SITEに、石見銀山生活文化研究所の店舗「群言堂」がある。店内に並ぶのは、藍や生成り木綿、紬など伝統的な日本の生地を使った着心地良い服や、手仕事のぬくもりが感じられる陶器や雑貨だ。これがスローライフを好む、湘南の30~40代の女性達に支持されているという。その本社があるのは、世界遺産に登録された石見銀山。築150年の庄屋屋敷を改装した「群言堂」本店にはレストランもあり、地元の素材を生かした家庭料理を提供。また、築230年の武家屋敷を改装した旅館「他郷阿部家」は、1日3組限定の宿。企業理念である「復古創新」(日本の古き良きものから学び、新しいものを創造する)を伝える場になっている。
捨てられるものに光を当てる
創業者の大吉と登美の出会いは、1974年の名古屋。1人暮らしの登美の下着が盗まれ、隣人だった学生の大吉を怪しんだことがきっかけだった。同棲から「できちゃった婚」となる2人だが、家計は苦しく粗大ゴミを拾って家財道具を揃えていたという。そんな「捨てられるものに目を向ける」生活が、2人の原点。そして、大吉の故郷・石見銀山に戻ると、都会が捨てつつあった日本文化の魅力に気づくことになる。石見銀山生活文化研究所の事業の柱は服の販売だが、今2人が力を入れているのが、古民家の再生だ。これまでに再生した古民家は10軒。旅館として使う「他郷阿部家」の再生には、1億円もかけたという。
異色企業が過疎化の歯止めに
夫妻2人でスタートした会社は、今や150人の社員を雇用するまでになった。そして、石見銀山で働く社員50人のうち18人は、県外から移住した若者たちだ。日本の暮らしを守ろうという夫婦の活動が、町の過疎化の歯止めにもなっているのだ。
ゲストプロフィール
松場 大吉
- 1953年島根県大田市生まれ
- 1973年大学在学中に結婚
- 1994年群言堂立ち上げ
企業プロフィール
- 本社:島根県大田市大森町
- 売上:19億7900万(14年度)
- 従業員数:150名
松場 登美
- 1949年三重県津市生まれ
- 1998年石見銀山生活文化研究所設立
- 2008年他郷阿部家を始める
企業プロフィール
村上龍の
編集
後記
ご夫妻には、独特の雰囲気があった。単に「仲がいい」でもなく、「同志」みたいな堅苦しさもない。きっと信頼があって、お互いに自立してるんだろうなと思った。信頼と自立は、まだ日本社会では夫婦や家族、組織やコミュニティのベースとなり得ていない。お二人の活動、ビジネスは、「ロハス」という枠では捉えきれない。「古民家再生」への情熱は強烈で、何かと闘っている印象があった。石見銀山生活文化研究所は、古き良きものを守り、再生するためには、ときに現状を打破し、闘わなければいけないという真実を象徴している。


















