RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
年間140万人が訪れる「進化系道の駅」の魅力
栃木県宇都宮市に年間140万人が訪れる大人気の道の駅がある。その名も「道の駅うつのみやろまんちっく村」。東京ドーム10個分という広大な敷地の中では、地場の珍しい産品を並べた売り場が多くの客を引きつけていた。他にも、地場食材をふんだんに使った飲食店や、温泉、プール、ホテル、地ビール工房などがあり、いわゆる「道の駅」の概念を超えた施設となっている。この大人気のスポットを運営しているのが、同施設内に本社を置くファーマーズ・フォレストだ。会社を率いるのは、松本謙社長。ただし、この施設は松本が1から作り上げたものではない。もともと第3セクターが手掛けていた農林公園を、創意工夫で人気の道の駅に“再生”したのだ。同社では、この道の駅だけでなく、廃墟と化していた「大谷石の採掘場跡」を整備して観光ツアー商品にするなど、栃木県そのものの再生も手掛けている。
不動産再生からの転換・・・「育てる仕事」がしたい!
松本はファーマーズ・フォレストを起業する前、不動産会社の一社員として、業績不振の温泉旅館や商業施設の再生を行い、軌道に乗ったらすぐに売却するという仕事を行ってきた。そんな折、赤字だったろまんちっく村が運営を民間に委託するということを知り、視察に訪れた。松本はその広大な施設を見た瞬間、「再生して売却するのではなく、再生した上でじっくり育てる仕事がしたい」という思いがわいてきたという。松本はすぐさま不動産会社を辞め、ファーマーズ・フォレストを立ち上げた。しかし、その後の道のりは険しく、もとからいた第3セクター社員からの反発、そして出入り業者との摩擦など、険しく困難なものだった。しかし、それを一つ一つクリアにしていき、ついには大人気のスポットへと変えていったのだ。
地方創生の切り札となるか!?「地域商社」の全貌
ファーマーズ・フォレストにとって、ろまんちっく村は単なる人気スポットという意識はない。栃木の産品を全国に知ってもらうための重要な販路と捉えている。同社では、ろまんちっく村以外にも、地元農家から農産物を集め都内のスーパーの直売所コーナーに置いてもらう仕組みを構築したり、栃木産品の通販ギフト誌「トチギフト」を制作・発行したりと、あらゆる手法で栃木を売り込む販路づくりに奔走している。そして、それら同士を有機的に結び付け、地方都市ならではの流通の形を造ろうとしているのだ。そうしたことを実践する企業は「地域商社」と呼ばれ、ファーマーズ・フォレストはそのフロントランナーとして他地域から手本にされるまでになっている。
未開のマーケットを切り開き、地域と地域を結べ
現在、1年の半分は沖縄にいるという松本。沖縄県うるま市に来年オープンする直売施設の運営をファーマーズ・フォレストが受託したのだ。松本は言う。「沖縄の産品は大都市では既に飽和状態。しかし、栃木を始めとした地方にはほとんど出荷されていない。地域と地域を結ぶことで、新たな市場が創出されるのではないか」。「地域商社」としてのファーマーズ・フォレストの新たな挑戦を追う。
ゲストプロフィール
松本 謙
- 1967年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、日産自動車に入社。
- 1996年幼少期から抱いていた不動産開発への想いを実現させるべく、クリーン工房に転職。さいたまスーパーアリーナや六本木ヒルズの運営を手掛ける。
- 2007年ファーマーズ・フォレスト設立。栃木のトータルプロデューサーとして、地元の魅力を全国に発信する「地域商社」という概念を生み出す。
企業プロフィール
- 設 立:2007年
- 従業員数:220名
- 主な事業:道の駅うつのみやろまんちっく村の運営を始めとした地域商社事業
村上龍の
編集
後記
地方・地域再生は喫緊の課題だが、具体的な地名、固有名詞が必要なのかもしれない。機械は一律の再生が可能だが、人の再出発も、年齢や個性や経歴によって違う。100の地域があれば、100通りの再生がある。松本さんは、「ロマンチック村」の風景と風情に惹かれて、関与を決め、再生に乗りだした。「地域商社」という名称は、若干わかりづらいが、地域資源をすべて活用し、物流を含め、連携を図るということだろう。各地域には、個性と、独自の歴史がある。ファーマーズ・フォレストは、徹底してそれらを活かす。


















