
天童木工 社長
加藤 昌宏(かとう まさひろ)
社長の金言
「できない」とは 一切言わない
RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
世界屈指の技術力!驚き家具を生み出す職人集団
埼玉・飯能市にある人気の宿「休暇村 奥武蔵」。地元の食材を使った料理が人気で、休日ともなれば満室になる施設だが、もう一つ、客の心を掴んで離さないものがある。それが部屋に備え付けられた、木製家具。地元の木材を使った家具は「木の温もりがあっていい」「座り心地がいい」と宿泊客から大評判。実はこれらの家具を作っているのが山形・天童市に本社を構える「天童木工」だ。天童木工の最大の特徴は、家具のデザイン性。柳宗理や丹下健三など、ジャパニーズ・モダンを牽引してきた有名デザイナーが生み出した家具を買うことができるのだ。しかも、多くのデザイナーたちが「天童木工と仕事をしたい」と、オファーが絶えないという。なぜ天童木工は世界に名を馳せるデザイナーたちから絶大な信頼を集め、愛され続けているのか?その知られざる独自戦略に迫る!
度重なる危機!苦渋の決断を強いられた老舗家具メーカー
1940年地元の大工や建具・指物業者が集まって創業した天童木工。戦時中は弾薬箱などの軍事用品を製造していたが、戦後は、家具作りを本格化させる。その家具作りの中で、日本初となる成形合板の技術を確立。複雑な形状の家具を実現する最先端の技術が評価され、デザイナーからのオファーが殺到。それに伴って公共事業などの仕事が多く舞込み、大きく成長していったのだ。しかし、90年代のバブル崩壊の煽りを受け、公共事業が激減。天童木工は倒産寸前の状態に陥る。そこで断行されたのが…大規模リストラ。実は、現・社長の加藤は、そんなリストラを断行した張本人。今も「ものづくりの会社の生命線は職人だ」と言い切る加藤の苦渋の決断と、その裏にある秘めた思いを徹底取材した。
「燃えにくい家具を!」天童木工が新たに仕掛ける職人技
今年、中目黒にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー」。スタバが手掛ける日本初上陸の新業態店舗とあって連日行列を作る大人気スポットだ。実はこの店に天童木工の新技術が一役買っているという。成形合板のパイオニアである天童木工、その職人たちが仕掛ける次なる一手とは?
ゲストプロフィール
加藤 昌宏
- 1943年山形県天童市 出身
- 1966年日本大学法学部を卒業後
天童木工に入社 - 2001年天童木工 社長に就任
企業プロフィール
- 住 所:山形県天童市乱川1-3-10
- 創 業:1940年
- 従業員数:約320人
- 売上高:36億円(2018年度)
村上龍の
編集
後記
木は本来、思いのままに曲げることなどできない。無理に曲げようとすると折れる。だが、人類は木を美しく曲げたかったのだ。木のぬくもりと、デリケートなカーブの両方を手に入れようと成形合板は開発され、天童木工は、デザインと技術を妥協なくせめぎ合わせ、新しい伝統を確立した。工芸指導所出身のデザイナーと技術者がオールスターチームのように天童に結集し、歴史的な作品を生んだ。作品は、優しさと強い精神力を同時に感じさせる。将来どこか他で、これほどの完成度の椅子を新たに見ることができるのか、わからない。