いま注目のベーカリー「365日」。常識破りのパン作りが人気を呼び、開店時間から客足が途絶えることが無い。国産の小麦粉を使い、具材のあんこ・カレーからベーコンまで自家製にこだわる。百貨店からの出店要請も続々...。「常識を疑う」ところから始まる、新時代ベーカリーの全貌に迫る。
RYU'S EYE

座右の銘
放送内容詳細
百貨店からもラブコール!こだわりのパン屋さん
空前のパンブーム。そんな中、ひときわ異彩を放つベーカリーが代々木公園の近くにある。その名は「365日」。こじんまりとした店だが、連日、客で賑わっている。食パンから定番のあんぱん・カレーパン、さらに見たことのないオリジナルのパンなど60種類が並ぶが、客は「小麦の風味がすごい」「こんなパン、食べたことない」と絶賛する。そのこだわりは、一筋縄ではいかない。「365日」のパンは、すべて国産の小麦粉を使っており、作るパンの種類に合わせて組み合わせや配合を変えているのだ。さらに、具材のあんこやカレーはもちろん、ベーコンやソーセージまで店で手作りしている。日本橋高島屋は、3年がかりで出店を口説いたという。いまや系列店を含め、東京に7店舗を展開している。
常識を疑うパン作り
「365日」のパンは、従来のパンと比べてデザインや大きさが違う。目新しさを追っているのではく、すべて理由があるという。社長の杉窪は「どうしたら素材の味や香りを楽しんでもらえるか?」を考え、パン作りの常識を疑い、独自の作り方を探求している。また、飲食業界の働き方の良くないイメージを一新したいと、完全週休2日を徹底、従業員が効率的に無駄なく働けるよう、独自の取り組みをしていた。
パンにとらわれない!?
実は、「365日」で売っているのはパンだけではない。パンの横には、出汁や納豆など杉窪が自分の目と舌で厳選した和の食材が置いてある。「パンの片棒を担ぐつもりはない」と言い放つ杉窪。「365日」が目指すのは、食のセレクトショップだという。系列店のカフェでは、パンだけでなく、焼き魚がおいしい和定食まで提供しているのだ。
ゲストプロフィール
杉窪 章匡
- 1972年石川県生まれ
- 1997年ホテルアナガでシェフパティシェに就任
- 2000年渡仏、2年間パティスリーで修行
- 2013年「365日」をオープン
- 2016年「15℃」をオープン
- 2018年多摩地区に小麦の実験農場をオープン
企業プロフィール
- 創 業:2013年10月11日
- 売上高:6億8000万円
- 従業員数:200名
村上龍の
編集
後記
小学校から学校教育を放棄した人だが、毎食おかずを10品以上作る料理上手のお母さんに育てられた。高校にいちおう進学したが、ケンカが元で放校になる。16歳で調理師専門学校で学び、パティシエとして修業をつんだ後、24歳でシェフに。27歳で渡仏、2年後に帰国。その後、40歳でやっと独立し、ウルトラキッチンを興す。2013年に「365日」を開業。悠々としたスタートだ。10年のブランクではなく、10年間、自身の哲学を鍛えていた。将来的に、日本のモチモチパンが世界を席巻すると予言する。当たりそうだ。