RYU'S EYE
座右の銘
放送内容詳細
伝統的な京漬物から発見された乳酸菌で新たな食へのチャレンジ!
京都で開発された話題の食パンがある。ほのかな甘みと、いつまでもふんわりと柔らかい食感が客にウケている。一本(約2斤)で1300円程もするが、売り出すとすぐに完売する人気品だ。作っているのは、京都の老舗漬物会社「西利」。京都の伝統的な漬物「すぐき」から見つかったラブレ乳酸菌を使って発酵させた食パンなのだ。西利は創業から81年の老舗で、数多くある京漬物店の中で、売り上げはナンバーワン。また、これまで業界初に取り組んできた漬物業界のフロントランナーだ。例えば、「世の中にない新しい漬物を!」という思いから、塩分を控えて昆布ダシを中心に作った浅漬けの一種「あっさり漬け」を開発。ダシを使うことで低塩分のヘルシーな漬物の開発に成功。4代目社長・平井誠一は、ジリ貧になっていく漬物業界に危機を感じ、様々な改革案を打ち出している。それが①体にいい漬物の追求 ②新鮮で多彩な食材の開発 ③若者に訴求する商品開発だ。右肩下がりの漬物業界にあって、生き残りをかける4代目の奮闘に密着した。
「漬物以外には手を出すな」の家訓を破る4代目社長の決断
西利は現社長誠一の祖父、太朗が丁稚奉公先の店からのれん分けで1940年に創業。当初は、卸売りを主体としていたが、安心安全な漬物を届けたいという思いから小売業に舵を切る。京都の祇園や観光名所に次々と出店。漬物を京都の土産物や贈答品として全国的に認知されるまでに仕向けた立役者。以降、2代目の義久は1981年横浜高島屋の出店を皮切りに全国展開を果たし、2000年代初めまで百貨店への出店ラッシュ拡大路線を続けた。しかし、その後日本の食生活の多様化などにより、漬物離れが加速、全国の漬物生産量が減少し続け、西利の業績にも陰りが見え始めた。1993年、そんな漬物受難の時代に誠一は社長に就任。「漬物以外は作るな!」という家訓を破り、独自の発酵技術を用いて食パンやスイーツ作りにも挑んで人気商品を開発し続けている。
漬物がおしゃれな料理に変身!
西利では、漬物を使ったさまざまな料理を試作し、消費者に提案している。営業販売推進部ではこれまでも漬物のレシピ本を発行し、ご飯や酒のお供という漬物のイメージから脱却した、柔軟な発想の漬物料理を模索し続けてきた。今も漬物の彩りや食感をいかした洋食レシピやスイーツ等も試作して、漬物の可能性を追求している。
ゲストプロフィール
平井 誠一
- 1967年京都市生まれ
- 1991年大阪学院大学卒業後、山本海苔店にて修行
- 1993年西利入社
- 2013年営業部長、取締役専務など経て代表取締役社長に就任
企業プロフィール
- 住 所:京都市下京区
- 創 業:1940年(昭和15年)
- 従業員:361名
村上龍の
編集
後記
西利のパンを食べた。京都にしか出せない味だなと思った。甘いのだが、絶対に甘すぎない。「旬、おいしく、やさしく」が理念で、客との約束なので変わらず守り続ける。「旬、おいしく」までは常識だが、「やさしく」が京都にしかない哲学だ。第3の創業として漬物屋の殻を破ろうとしたときも「やさしく」を大切にした。平井さんは、どこか超然として、必死さを感じなかった。必死なのだが、それを感じさせないゆとりがある。京都だけが持つゆとりだ。


















