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2019年7月2日 放送 第870回
「我らが創る!新たな"しごと"」シリーズ人生が変わる働き方!(2)

高い品質で人気の商品を生み出している働き手は、ハンディキャップを背負った人たちの集団だった! 昔ながらの「福祉的」な職場ではなく、消費者が欲しがる、競争力のある商品やサービスを生み出す障害者の職場が、広がりを見せようとしている。
去年には、障害者雇用の旗振り役を務めなければいけないはずの「霞が関」の役所で軒並み、雇用している障害者数を水増ししていたことが発覚。一般企業も障害者を一定数雇用するよう義務付けられているが、人材の活用とは程遠いのが現状だ。一方で、ある障害者が集まった職場では、社員たちが健常者の能力や仕事ぶりを上回るほどの働きを見せ、高品質な商品やサービスの提供へと結びついているのだ。
障害者に眠る、すごい能力とは?一体どうやって障害者の力を引き出しているのか? そして、どうすればそうした職場は、日本に浸透するのか...。
ある企業の挑戦を通じて、日本に生まれた「全く新しい働き方」の可能性を描く。
放送内容詳細
障害者の“すごい”能力…人気の商品・サービス誕生の秘密は?

鮮やかなフルーツがぎっしり詰まった、「キャンディバー」…。
実は、植物性の素材で作られた、肌に優しい石けんだった。ひとつ1080円と安くはないが、見た目と品質の良さで、人気の商品だという。
手がけているのは、神奈川県小田原市の「リンクライン」。キウイやイチゴにそっくりのパーツも、ひとつずつ丁寧に手作りしている。26人いる腕利きの“職人”。全員、障害を持った人たちだ。
リンクラインを率いるのは、神原薫(かんばら かおる)さん。IT企業の人事総務部長だったころ、法律で義務付けられている障害者の雇用人数の条件を満たせず、毎年1000万円以上の「納付金」を納め続けていた。
行政から「これ以上改善が見られなければ企業名を公表する」と通告を受け、障害者を雇い入れるために、子会社としてリンクラインを立ち上げた。赤字続きだったが、神原さんがあることに気づいてから、事態は一変。「手作りアートソープ」の開発をきっかけに、黒字化に成功したのだ。今や、障害者雇用に悩む企業からも、指導に来て欲しいと助けの声が寄せられている。その神原さんの“気づき”とは…?
一方、石川県白山市に2016年に誕生したアミューズメント施設「B's・行善寺」。天然温泉をはじめ、自家製蕎麦や地ビールが楽しめるレストランに、ジムやプールまでが揃う。交通の便は良くないが、年間40万人以上が訪れる人気施設だ。
ここを支えているのも、障害を背負った人たち。この施設で出される食べ物やサービスが、評判を呼んでいるのだ。一体、ハンディキャップを持った人たちが、どうやってすごいパフォーマンスを発揮しているのか?
「雇わなければならない」から「雇いたい」へ! 働き方が、変わる

インターネット通販大手「楽天」の本社。1万人余りが働く社内に、人気の食べ物があった。毎日社内で焼かれる、コンビニのパンだ。手作りしているのは、障害を抱えた人。店に品物を並べたり、レジを担当するのも障害者だ。
ここを運営しているのは「楽天ソシオビジネス」。楽天が障害者雇用のために設立した子会社で、従業員208人のうち、8割が障害者だ。
2008年の設立当時は、いわば「数あわせ」で障害者を雇用する受け皿に過ぎなかったというが、そんな状況を劇的に変えたのが、社長の川島薫(かわしま かおる)さん(56歳)。自身も生まれつき両足股関節に障害を持ち、様々なアイデアや行動力で仕事を勝ち取り、わずか3年で黒字化に成功。以来7年連続で黒字となっている。川島さんは「障害者を、“雇わなければならない”ではなく“雇いたい”存在にする」という。そこには川島さんならではの、障害者を生かすアイデアが…。
そしていま、川島さんはさらにもう一歩、障害者雇用を進化させようとしていた。目指すのは、「脱・楽天のアウトソーシング」。楽天から仕事をもらうのではなく、障害者が自立して金を稼いでいく、というのだ。注目したのは、「野菜工場」。川島さんならではの勝算とは…?
今週のピックアップ曲 ― あの場面でかかっていた名曲は何? ―

アーティスト | THE POTONE! |
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曲名 | 恋はぐみいろ |
アルバム | やまなしい |
本編0分10秒。
二子玉川のショッピングセンターで売られているカラフルなアイスキャンディーのような石鹸。
この大人気の石鹸は障害のある人たちによって作られている。
このシーンで使用している曲は「恋はぐみいろ」
THE POTONE!によるアルバム「まなしい」に収録されている。
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