電動キックボードのさらなる普及に向けて、大きな課題となっているのが安全対策だ。利用者の増加に伴い、交通違反や事故が増加。電動キックボード等の交通違反摘発は、2023年の8937件から、2024年には4万1246件と5倍近くに増加。人身事故も338件発生した。事故や問題が起きるたびに、SNS上ではLuupへの批判が相次ぐ状況だ。安全対策の強化を急ぐLuupは、2025年から危険な走行を検知する「LUDAS(ルーダス)」というシステムを導入。GPSで車両の位置情報を取得し、逆走や、走行禁止区間の走行などが検知された場合には、利用者のアカウント停止など厳しい措置をとる。2025年4月下旬から実施に踏み切った。さらに、電動キックボードなどの事故の1割以上を占める飲酒運転への対策も急ぐ。飲酒による認知能力の低下を確認するテストを開発し、飲酒をしている場合には利用できなくしたい考えだが、うまくいくのか?Luupはスタートアップとして、利用者をさらに増やし、成長を追求すべきフェーズでありながら、LUUP利用のハードルを自ら引き上げようとするのは、普及が先行した海外での問題を「他山の石」としているからだ。フランス・パリやオーストラリア・メルボルンでは、歩行者の安全が脅かされるなどの理由で、電動キックボードのシェアリング事業が禁止されたのだ。成長の追求と安全な利用を相反させず、“新しい乗り物”をさらに普及させようとする、ギリギリの闘いを追った。
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2026年4月24日(金)放送 第1213回
独占!LUUPの野望〜街の厄介者か、救世主か〜
2025年の訪日客数は過去最多を更新した。都市部や観光地では交通への需要が急拡大し「オーバーツーリズムによる混雑や渋滞」が深刻化している。その一方で、人口減少や少子高齢化に伴い、地方などでは公共交通が維持できない「交通空白」が問題になっている。また、75歳以上の車やバイクの交通死亡事故は4年連続で増加。認知機能の低下によるブレーキやアクセルの踏み間違いが問題となっている。特に交通網が整備されていない地方都市では、車が高齢者の「命の足」として欠かせないことが背景にある。こうした交通課題の解決に取り組むのが、電動キックボード等のシェアリングサービスを手掛ける「Luup」だ。2020年のサービス開始以来、急成長。後発ながら、貸し出し・返却拠点であるポートの数では競合他社を圧倒している。さらに2025年には、高齢者から若者まで誰もが安全に走行できることを目指す新型車両「Unimo(ユニモ)」を発表。3輪の座席付き電動車両だ。LuupのCEO岡井さんが創業当初から掲げる「移動をもっと楽にして、地域で支えあえる世界」という理想を現実へと近づける大きな一歩となる。一方で、Luupは電動キックボードに対する規制への対応を迫られるほか、利用者の交通マナー違反や、事故の増加が問題となっている。サービスの運営主体としてLuupにも厳しい目が向けられ、安全対策の強化が要求されているのだ。ここまで急成長を続けてきたLuupだが、利用者による安全な走行という課題を克服し、今の時代に求められる交通インフラとして、広範な市民の理解を得ることはできるのか。事業の正念場を迎えた岡井さんに独占密着した。
内容詳細
LUUPの宿命・・・成長と安全の二兎を追う苦闘
新しい乗り物「ユニモ」にかける思い 初の試乗会で高齢者の反応は?
Luupは2025年に、3輪・座席つきの新型電動車両「Unimo(ユニモ)」を発表した。高齢者を含むあらゆる年代の利用者の移動を助けたいというミッションの実現に向けた重要な一歩となる。LUUPの電動キックボードなどの利用者は、20〜30代が7割ほどを占めているが、新たに投入する新型車両で、運転免許証を返納した高齢者などの利用を促進したい考えだ。そのため、新車両で最も力を入れたのが、転倒を防止する機能だ。トヨタグループの中核企業、「アイシン」の先進技術を活用し、運転中の車体の傾きを自動で制御する。カーブでも安定して走行できるように開発されたのだ。目下の最大の課題は製造コストの高さ。1台の製造コストは、高級車並みだと言う。誰もが気軽に使えるサービスを目指すためには、既存の電動キックボード等と同じ程度の料金で市場に投入することが不可欠。そのためには、高齢者を含む利用者数の大幅な増加が求められる。岡井さんがLuupを創業した原点には、介護を必要とした祖母の存在がある。ヘルパーの自宅訪問をお願いしていたが、そのヘルパーも多くは高齢者。しかし、移動の手段は車か自転車しかなく、家から家へと移動することも簡単ではなかった。気軽に「家に来て」とは言えない現実を目の当たりにして岡井さんは考えた。移動の負担が、人を支える側の重荷になっているのではないか?どんな年代の人も、どんな職業の人も、もっと楽に移動できる手段はないのか?そんな思いから新しい交通のシェアリングサービスを始めたと言う。その理想に向けた大きな一歩となる新車両の「Unimo(ユニモ)」。市場に投入すれば高齢者は本当に利用してくれるのか?そして、街の中を安全に走行することはできるのか?市民に対する初の試乗会に踏み切り、開発を前に進めようとする岡井さんに密着した。
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ご注意下さい
最近、「ガイアの夜明け」に出演できると持ちかけて、多額の金銭を要求する業者があるとの情報が寄せられました。
「ガイアの夜明け」を始めとした報道番組が、取材対象者から金銭を受け取って番組を制作することはありませんので、ご注意ください。当社では、あくまで報道番組の視点から番組が独自に取材対象の選定にあたっています。
不審な働きかけがあった場合には、テレビ東京までご連絡ください。
2025年4月28日










