茨城県坂東市のコメ農家、染野実さん。従業員10人の農業生産法人の代表で、86ヘクタール(東京ドーム約18個分)の田んぼでコメを生産している。今年、コメの価格が暴落すれば、経営に大きな影響が及ぶため、染野さんは3月中旬、新たな品種の作付けに挑んだ。それが、1つの穂に大量の実を付ける多収米「とうごう44号」。味も良く、コシヒカリの約1.5倍の収量が見込めるという。さらに、通常の田植えとは違い、乾いた田んぼにトラクターで直接種を播く「乾田直播」という新たな農法で生産コストを削減する。染野さんのもとでコメ作りを学んでいたのは、娘婿の照大さん。地元埼玉でブドウを作っていたもののうまくいかず、コメ作りで身を立てる覚悟を決めた。農家の後継者不足が課題になる中、染野さんは、後を継ぎたいと言ってくれた照大さんのためにも、米作りで安定して利益を出せるようにしたいと考えていた。そんな染野さん親子に、8月11日、最大の試練が訪れる。台風15号が観測史上初めて茨城県に上陸し、染野さんの田んぼに近づいていた。果たして、無事に秋の収穫を迎えることはできるのか…。
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2026年10月16日(金)放送 第1238回
"コメ急落" 日本米の逆襲~農家と企業が挑む、稼げる農業~
「令和のコメ騒動」から一転、今年はコメの民間在庫が6月末時点で過去最多の243万トンとなり「空前のコメ余り」に。スーパーの平均店頭価格は5キロ3000円を大きく割り込み、1月の高値から1500円以上も急落している。高齢化が進み、廃業するコメ農家が過去最多を更新する中、米価の急落が生産者の経営を圧迫している。そうした中、生産コストを大幅に抑えながら、コシヒカリよりも収穫量が5割も増えるという新たな品種が誕生。儲かるコメ作りに挑む農家や、日本のコメを海外へ売り込み、農家の経営を支えようと奮闘する人たちを追った。
内容詳細
収量はコシヒカリの“1.5倍”!「多収米」に挑む農家の親子
海外で稼ぐ日本のコメ!“最強ライバル”の牙城を崩せるか
実は染野さんは、今よりも米価が安かった2016年に、海外に活路を見出すため、仲間の農家たちと8人でコメを輸出する会社を立ち上げていた。その名は「百笑市場」。農家自らが海外で店頭販売をして日本のコメをアピールし、少しずつ輸出量を伸ばしていった。農家にとってコメの輸出は、収入を維持する選択肢の一つになる。その百笑市場を農家たちから託されたのが、3代目社長の長谷川有朋さん。アメリカの大学で国際経済学を学び、帰国後に横浜DeNAベイスターズでラミレス監督の専属通訳を務めていた異色の経歴を持っている。百笑市場は現在、世界37の国・地域に年間約2300トンのコメを輸出している。4月、長谷川さんがやってきたのは、アメリカ・ボストンで開催された日本の食と文化を紹介する「ジャパン フェスティバル」。そこで、日本のコメを使った「焼きおにぎり」を販売すると、長蛇の列ができ、用意したコメ50キロ分が完売した。さらに、長谷川さんはカナダ・トロントの寿司レストランを訪問。実は北米では、ほとんどの寿司レストランで、カルローズ米が使われている。カルローズ米は、主にアメリカ・カリフォルニア州の広大な農地で大規模に生産されるため、日本のコメよりも低価格で販売されている。トロント近郊にあるアジア系スーパーで、4月から百笑市場が輸出した茨城産のコメの販売が始まったが、長谷川さんは、カルローズ米との価格差が、輸出の大きなハードルになると考えていた。果たして、カルローズ米と同等のコストで、日本でもコメを作ることはできるのか…。
建機トップメーカー「コマツ」が農業の変革に挑む!
鳥取県の農業生産法人トゥリーアンドノーフの徳本修一さんが挑むのが、田んぼの区画を広げる基盤整備。これまで日本の狭い田んぼが、生産性を上げるための最大のネックとなっていた。徳本さんがタッグを組んだのは、国内トップの建機メーカー「コマツ」。ブルドーザーで3枚の田んぼの畔を削り、1枚の広い田んぼにするという。1枚になれば、機械作業の効率が大幅に上がり、畔の草刈りも不要になる。基盤整備工事には、田んぼの3次元データを作成するなど、コマツの先端土木技術を活用。日本のコメが、グローバルでコスト競争力を持てる未来を目指す。
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