日経スペシャル ガイアの夜明け

毎週金曜日夜10時
テレビ東京系にて放送中
テレ東BIZにて配信

STORYストーリー

2025年10月31日 放送 Story No.0031

AIで激変!タクシー新時代~“地域の足”を守れるか~

「タクシー占い」

街を疾走する1台のタクシー。その後部座席に案内人がいた。
背もたれに身を預け、窓の外に目をやりつつ⋯

案内人「タクシーがつかまらないって言うじゃないですか。
走ってないわけじゃないんですよね。でも、来ない。
ほら、道が一本違えば、すれ違ってしまいますから」

運転手に話しかけているようでもあり、一人語りのようでもある。

案内人「タクシー占いって、やったことあります?
ラッキーカラーのタクシーを見かけたら、
いいことがあるんです。私のラッキーカラーは浅葱(あさぎ)色」

と窓の外に目をやる。
反対車線を走る車の中に浅葱色のタクシーを探し、前から後ろへ目を走らせる。


案内人「あれ? いないですね、浅葱色のタクシー」

まだしつこく探している。すると⋯

案内人「あ、来た!⋯と思ったら、タクシーじゃなかった」

運転席に向き直って一言

案内人「やっぱり、タクシーって減ってます?」

「タクシーがつかまらない⋯」

後部座席に背を預け、なめらかな走行に身を任せている案内人。

案内人「タクシーに乗っている時間って、好きなんです。
運転はお任せして、目的地まで運んでもらう間、自分のことに集中できる。
ボケっとするもよし、考え事をするもよし。
タクシーの中って、けっこう閃いたりするんですよ」

窓の外の何かに気づいて、目をやる。

案内人「今の人、こっちに向かって手を挙げてました。
空車だと思ったんでしょうね」

遠ざかる窓外の人を目で追いながら⋯

案内人「タクシーがつかまらないときって、目の前のことだけ考えてしまいがちですけど、
自分のタクシーが来ないってことは、誰かのタクシーも来ないってことで、みんなの課題なんですよね……。
今、騒ぎになっている米不足にも通じる気がします」

と語りながら自分の考えを勝手にまとめると


案内人「お米の話をしたら、お腹が空いてきちゃいました。
(運転席へ)すみません、行き先変更します。
……あ、そっか。アプリから」

とスマホを取り出したのだった。

「タクシーの未来」

後部座席の案内人が呟く。

案内人「足りている、行き渡っているを当たり前にするには仕組みが必要で、
そのために努力されている人たちがいるんですね」

なめらかに停車するタクシー。ドアが開く。

AI音声「目的地に到着しました。ありがとうございました。またのご利用をお待ちしています」

案内人が降り、ドアが閉まる。
運転席には誰もいない。
自動運転のタクシーだったのだ。
無人の運転席でハンドルが回り、
タクシーが発進する。

案内人「浅葱色のタクシーは来ませんでしたが、タクシーの未来は来ています」

と見送り、微笑む。
その目にはタクシーが浅葱色に見えていた。

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