「腰巻お仙」のポスターが300万円、「ジョン・シルバー」のポスターが200万円。ただし依頼品には焼けがあったり染みがあったりしているので、状態が良ければもっと高値がつく。1970年にニューヨーク近代美術館で1960年代の世界のポスター展が開かれたが、実はそこで「腰巻お仙」のポスターが1位になった。横尾忠則はもともと商業デザイナーだったが、このポスターのシリーズでアーティストとして一躍名前が知られることとなった。当時はアメリカでＡ．ウォーホルなどが出てきた頃だが、そのウォーホルよりも評価が高かった。つまり依頼品は出世作であり代表作。日本の伝統と土着的なイメージを、コントラストをうまく活かして絵画の中で見事に現代に表現している。幻想的なイメージと、またユーモアもあって見ていて本当に惹きつけられる。