Jリーグ「空白の期間」対策へ、濃厚接触者の可能性を独自選定

サッカー

2020.8.12

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2020 J1リーグ 写真:森田直樹/アフロスポーツ

 Jリーグは8月11日、感染者が出て保健所の濃厚接触者の特定が試合開始前に間に合わない場合への対策として、濃厚接触の可能性のある者を独自で判断し、試合開催へつなげる方針を臨時実行委員会で確認した。

 Jリーグでは、名古屋や福岡の選手に感染陽性者が判明した後に濃厚接触者の特定が間に合わず、7月26日にはJ1広島―名古屋戦、8月2日にはJ2大宮―福岡戦がやむなく中止された。いずれも陽性者判明が週末の試合直前というタイミングで、保健所は対応できない期間だった。

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 このため、Jリーグでは11日に行ったNPBとの連絡会議で専門家チームと協議。保健所の判断が出るまでに、濃厚接触者の可能性がある者をリーグで選定することになった。

Jリーグの村井満チェアマンは、中止の事例のようなことは「今後も起こり得る」として、空白の期間の迅速な対応が感染拡大防止にも重要とする見解を示した。

村井チェアマンは「Jリーグはあくまでも保健所の判断を公式と位置付けて、それに従うことは改めて(各クラブと)申し合わせた」と強調。その上で、今回の自主判断は「その判定が出るまでの間の暫定的なもの。保健所を補助するような観点」だとして、濃厚接触者の疑いがある者をチームから離すことで感染拡大を防ぎ、チームは試合ができると説く。

「保健所がすべて我々の都合に合わせて判断いただけるものではないのが現実。その間になにもせず放置しておいてよいのか。今までの保健所判断から類推して判断し、感染防止に努めるというもので、リスクを冒して(試合を)やろうというのが前提ではない」と語り、理解を求めた。

 濃厚接触者疑いのある者の選定の判断材料は、行動履歴の記録とこれまでのケースで保健所から出された判断事例が元になり、これらを総合的に見てリーグが判断することになるという。

 導入にあたっては、保健所にもリーグで実施している感染対策ガイドラインを提示すなどで説明を行い、Jリーグの方針に理解を求め、情報を共有したいとしている。

 専門家チームの賀来満夫氏(東北医科薬科大学特任教授)は、「現時点では、どなたが感染してもおかしくないような状況になりつつある。これまでJリーグやプロ野球ともしっかり管理体制の中でも起こり得るということが今回分かった」と、新型コロナウィルス感染の怖さに改めて言及した。

また、「保健所との信頼関係を今後もしっかりと築くことが重要」と指摘。その上で「空白の時間は当然ある。球団が濃厚接触者をしっかり特定して試合や移動から外し、専門家も助言をさせてもらい、より安全な形で試合開催を判断していく」と述べた。

Jリーグでは2週間に一度の公式PCR検査を実施しているが、名古屋や福岡のケースはその合間の期間での感染とみられている。この点について、連絡会議では専門家チームからは緊急性への対策として高感度の抗原検査の導入検討の助言もあったという。

村井チェアマンは、「PCR検査とは別に非常にスピーディに結果が出る検査について意見も出された。今後、いくつかの考えを複合する形で運用していきたい」と話している。


取材・文:木ノ原句望