コロナ禍でもタイでKO勝ち 40歳日本人ファイターのアナーザーヒーローストーリー

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2020.9.2

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もう40歳だというのに、藤沢彰博(心技道場/TEAM THAI-YO)はONE Championshipを舞台に格闘技を続けている。

8月14日に配信された『ONE: NO SURRENDER II』ではポンシリ・ミートサティート(タイ)と対戦し、1ラウンド4分55秒、鮮やかな左フックでKO勝ち。1年8カ月ぶりに勝ち名乗りを受けた。

それにしても、コロナ禍によって日本から海外への渡航は著しく制限されているにもかかわらず、なぜ藤沢はタイのリングに上がるこができたのか。

2016年に藤沢はタイに移住し、バンコクを拠点に活動を続けている。いまだ新型コロナウイルスで揺れる状況下でも国際戦を組みたいONEにとって、在タイ外国人である藤沢はなくてはならない存在だった。

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もともと格闘技のスタートは遅く、26歳の時だった。当時人気絶頂だった山本KID徳郁のワイルドなファイトに魅了されたのだ。ただ、この年齢から始めるとなると普通は趣味程度で終わる。案の定、日本における藤沢のプロのキャリアはキックボクシングの2戦のみ。総合格闘技はアマチュアの大会出場だけに終わっている。

それでも、タイに渡った翌年にONEの人材発掘のためのリアリティショー『ONE ウォリアーシリーズ』に出演するチャンスを得るや、第1シーズン最終話で1R TKO勝ちを収め、晴れてこのシリーズからの契約第1号選手となった。

本戦デビュー後、2連勝をあげ一躍クローズアップされるが、藤沢は状況を冷静に受止めている。「僕は運動神経が悪いし、足も遅い。スポーツは嫌いではなかったけど、得意でもなかった。ただ、外野の言うことを気にせず、好きなことをやっていたら、運良くここまでこれた感じ」

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その後、3連敗を喫し崖っ淵に立たされたが、今回の一勝で藤沢はサバイブした。しかも、勝利は全てKOか一本による完全決着。ONEから見ても、これほど頼もしい40歳はいまい。

藤沢は、自分だけのヒーロー像があることを打ち明ける。
「華やかでセンスがある、若い人向けのロールモデルはたくさんいる。でも、みんながみんなそれを目指せるわけではない。僕は別の形の希望になりたい」

藤沢は、四十路のアナザーヒーローストーリーを描き切れるか。

(スポーツライター 布施鋼治)