元なでしこ永里優季が男子チームへ「男子クラブでプレーする初の女子プロ選手として歴史を作る」

社会人サッカー 男子チームに永里優季が入団 写真:松尾/アフロスポーツ
10日、FIFA女子ワールドカップを2011年に制した、元なでしこジャパン日本女子代表のFW永里優季が米女子サッカーリーグ(NWSL)のシカゴ・レッドスターズから男子チームの「はやぶさイレブン」(神奈川県リーグ2部)にレンタル移籍することが決定した。
加入会見で33歳の元日本女子代表は、子どもの頃から「いつか男子のリーグでプレーしたいと言う思いがあった」と話し、思いが叶った今回の移籍に「感謝している」と笑顔を見せた。
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海外でも注目の挑戦
今回の永里選手の男子クラブへの移籍は、海外でも注目を集めており、所属のシカゴ・レッドスターズが「永里優季がアマチュア男子クラブでプレーする初の女子プロ選手として歴史を作る」と公式サイトで発表すると、米国国内はもちろん、海外メディアが続々とこれを報じた。
FIFA(国際サッカー連盟)も2011年女子王者に輝いた元日本代表選手の歴史的な挑戦を見逃さず、女子ワールドカップのSNSアカウントで紹介し、UEFA(欧州サッカー連盟)も女子チャンピオンズリーグのアカウントで取り上げて「歴史的な男子クラブへの期限付き移籍。グッドラック」とツイート。また、AFC(アジアサッカー連盟)は公式サイトに記事を掲載した。
「こんなに注目されると思っていなかったので、びっくりしている」と、永里選手本人は9月10日の会見で少し戸惑った様子も見せたが、今回の自身の挑戦で、チャレンジしたいことに対して逡巡している人たちに「一歩踏み出すことを伝えていけたら」と言う。
昨年の女子ワールドカップの時にアメリカ代表のミーガン・ラピノー選手が男女格差の是正を訴えたりしたことも刺激になったそうで、「今回少し形は違うが、男性のチームに入って女性も活躍できる、そこに挑戦できるんだというメッセージ」だと語り、「今、男の子にまじってサッカーやっている女の子たちもたくさんいる。一つの選択肢を作ってあげられるかなという思いが非常に強くなった」とも述べた。
社会人サッカー 男子チームに永里優季が入団 写真:松尾/アフロスポーツ
また、世界各地のクラブでプレーを続けてきた永里選手は、各地で目にする地元出身選手の存在に触れるたびに羨望を感じていたと言い、「選手として得た経験を、いつか地元に還元したいと思っていた」と語った。
Jリーグ入りを目指している「はやぶさイレブン」は、鹿島や浦和で活躍した阿部敏之氏が昨年3月から監督を務め、同12月に2部に昇格。優季選手の兄、源気選手は東京ヴェルディやタイのクラブなどを経て今年2月から所属した。優季選手の加入で、兄妹での公式戦出場の可能性もある。
源気選手は、「まずはチームの競争でチームメイト、監督に認めらえてからのこと。それで一緒にやれるなら楽しみ」と話した。
また、はやぶさイレブンのフットゴルフチームには妹で元なでしこジャパンの永里亜紗乃さんが所属。兄の源気選手とともに姉の加入会見に駆け付けて祝福。姉のプレーについては、「年々足が速くなっているし、ドリブルタッチも柔らかくなって、できることがどんどん増えている」と、女子サッカーの試合で解説者の片鱗も披露した。
優季選手は、シカゴによればアメリカ女子リーグの2021プレシーズンには復帰する予定だが、「この先もクラブに関わっていきたい思いはある。長期的な目線で力になっていければ」と話している。
なお、神奈川県社会人リーグ2部は9月13日にスタート。7チーム編成のDブロックで戦う「はやぶさイレブン」の初戦は同20日のFC AIVANCE横須賀シティ戦だが、新型コロナウィルス感染防止対策のため、無観客で開催される予定だ。
取材・文:木ノ原句望