藤川球児「自信なんか持てずにずっとやっていた」~松坂世代『藤川・森本・杉内』今だから話せること~

野球

2020.12.30

IMG-1862.jpg

プロ野球史上、最高の世代とも称される「松坂世代」。多くのスターが生まれたこの世代の選手たちも気が付けばベテランと呼ばれる年齢に差し掛かり、今季は藤川球児がユニフォームを脱いだ。

先に現役を退いた同世代の森本稀哲と杉内俊哉を交え、高校・現役時代の思い出やお互いへの思い、そして世代を牽引し続けるあの男へのメッセージ――この3人にしか語れない黄金世代への思いを語ってもらった。


Q.藤川さん、森本さんは高卒でプロ入りでしたが、杉内さんは社会人を経て3年遅れてのプロ入り。それぞれの想いは?

森本:
大卒や社会人の奴らには絶対負けねーよみたいな想いはめっちゃありました。今となっちゃスゴイ恥ずかしいですけど。

藤川:僕の場合は(同級生が)大卒が入ってくる年に球団が給料を合わせてくれたんです。僕の方ができると思ってくれたみたいで、年俸をドラフト1位の年俸にしてくれて。

杉内:野手と違って、投手はマウンドに1人しか上がれないというのもあるから、(同級生のことは)何も考えなかったです。自分の活躍次第で起用されると思っていました。


Q.プロとして確信に変わった時期や思い出深い試合などはありますか?

藤川:確信は最後までなく終わりましたね。僕はリリーフなので9割成功しないといけないから、10回に1回しか失敗できない。自信なんか持てずにずっとやっていましたよ。

森本:シーズン1年間を通じての戦い方やヒットを打つ感覚を覚えたなって思うのが2007年。打率も3割に乗って、稲葉(篤紀)さんと最多安打を争った年だけど、シーズンっていい時ばかりじゃないし、悪い時のしのぎ方みたいなのをこのシーズンを通じて覚えたなって。

杉内:忘れられないのが2010年の終盤(9月25日)の日本ハム戦。負けたら西武に首位を奪われるという大事なゲームでダルビッシュ(有)と投げ合いになったんだけど、9回裏、1対0でリードしている時に稀哲が粘って粘ってセンター前に打って。いやらしいバッターだなって思ったよ(笑)。


Q.現役を離れた今、松坂世代、松坂大輔とはどういった存在ですか?

森本:若い頃は負けたくないという思いがあったけど、27~28歳くらいになると半分以上が辞めていって、気が付いたら球児(藤川)やトシ(杉内俊哉)に「お互い頑張っていこうな」みたいな、見えない絆みたいなのができた気がする。

杉内:確かにそういう思いは年を取ればとるほど、強くなっていった気がする。

藤川:僕が辞めるという決断の1つに、松坂のことがあって。僕もトミー・ジョン手術をしてパフォーマンスが出なかったけど、しばらくすると出るようになって。投げられないで辞めるんじゃなくて、絶対元気になって投げて、そこで決断を考えようというマインドにしたかった。彼には1つの事例としてこういう辞め方もあるんだというのを見せたかったというのが実はあるの。

杉内:やっぱり松坂の投げる試合は気になるし、いつも見ていた。だから年々歳を取ると同級生がんばれって。松坂のおかげとまではいわないけれど、引っ張ってくれたから僕もここまでこれたとは正直思うよ。




BSテレ東では2021年1月3日(日)夜7時から『再会2 ~今だから言える、聞ける、話せること~』を放送します。

実力だけがものを言うプロ野球の世界。そこで生き残ってきた者には共通点が... それは仲間との"絆"を大事にするという事。「あいつがいるから」「あいつの為に」「あいつの分まで」プロ野球界の歴史のなかで特にその絆が強く、稀有な才能が次々と誕生する世代が存在します。

その筆頭が松坂大輔投手を中心とした1980年生まれの「松坂世代」。そして田中将大投手を中心とした1988年生まれの「88世代」。

松坂世代の1つ下の世代である「81世代」。高校時代から注目を浴び続けてきた1つ上の松坂世代の影に隠れた世代でしたが、この世代からメジャーリーガーが4人誕生。松坂世代にも88世代にも引けを取らない才能が集まる世代でした。

今回は、その3つの世代で先頭を走り続け、今年転機を迎えた男の再会に迫ります。「今だから言える、聞ける、話せる」... ユニフォームという鎧を脱いで素顔に戻った男たちが交わす本音の数々は、そのプレーよりも人々の心を震わせる熱を帯びていると確信します。ご期待ください。