中村憲剛×セルジオ越後 引退した今だから聞ける!「海外からのオファーはあった?」
元川崎フロンターレ 中村憲剛×セルジオ越後 新春スペシャル対談
昨季限りで現役を引退した川崎フロンターレの"レジェンド"中村憲剛とセルジオ越後の、新春スペシャル対談!
プロ生活18年間川崎一筋の中村が明かす、海外クラブからのオファーと残留の決め手となったクラブへの愛情とは。そして新たな夢、自らが考える指導者としての理想像を語る。
<40歳 上がり調子で引退を決めた理由>
セルジオ越後:引退に近づくに連れプレーがだんだん良くなっていきました。そこで引退を決めた理由は何ですか。
中村憲剛:逆だったかもしれないです。「終わりを決めたからこそ良くなっていった」という感覚が自分の中にはあって、終わりを決めていなかったら覚悟がなかったと思うんですね。
まぁ来年もあるから、と思いながらやっていたら、こういう一年一年の過ごし方はできなかったんじゃないかなと思います。
【動画】元川崎フロンターレ 中村憲剛×セルジオ越後 新春スペシャル対談
<現役を続けられたモチベーション>
セルジオ:なかなかタイトルを獲れない時代(2017年クラブ初のJ1優勝時は37歳だった)というのは、プロ選手としてはすごく精神的に重くてしんどいと思うけど、こうやってタイトルを獲るのが当たり前のチームになるまでモチベーションを持ち続けられたのはどうしてですか?
中村:多分、勝てなかったからだと思います。勝てなくて、結果が出ない時が続いたからこそ、諦めきれなかった。どっかでタイトルを獲っていたら、ひょっとしたら僕はもっと早く引退を決断していたかもしれないです。

セルジオ:フロンターレのファンはこの話を聞いたら怒るだろうな。(笑)
中村:いやいや!(笑)最後4年間は連続でタイトルは獲れましたけど、それまでセルジオさんがおっしゃったように13年間はノンタイトルだったので。獲れそうで獲れなかったのもモチベーションが続いた理由の一つかもしれないですね。
<海外からのオファーは?>
セルジオ:もう引退したから、どのチームからオファーがあったって言える?
中村:攻めますね!(笑)オランダのPSV(アイントホーフェン)というチームから打診があったことはありましたけど、国内のチームからはどこもなかったですね。

セルジオ:オファーを断った理由は何かあったんですかね。
中村:やっぱり、自分がフロンターレに拾ってもらった恩みたいなものもありますし、フロンターレよりも魅力を感じるクラブがそんなに多くなかったですね。それだけ自分はフロンターレが大好きでしたし、あとはタイトルを獲らずに移籍をするというのは拾ってもらった身として"ナシ"だな、というのが自分の中にありました。
<少年時代に憧れた選手、チームは?>
セルジオ:小さい頃はどのクラブが一番好きだった?
中村:1992年とかJリーグが始まる1年前でラモスさん(ラモス瑠偉)、カズさん(三浦知良)が大好きだったので、読売クラブ(Jリーグ発足時はヴェルディ川崎)でしたね。

自分の幼少時代は、テレビでサッカー番組もそう多くなかったので、色々本を買ったりとか、自分でどうやったら上手くなれるのかを考えていたっていうのはありますね。
セルジオ:それは大事だね。
<理想の"指導者像"とは?>
セルジオ:これから先は何をやるのかもう決めた?指導者の道?
中村:それも一つだと思います。もし自分がチームを預かるとするならば、その時にいる選手たちの個性がすごく大事だと思うんですね。

もちろん自分がやりたいサッカーというのはこの後色々考えて出てくるかもしれませんけど、最終的にはやっぱり勝たなくてはいけない職業なので、勝たないと自分の身を追われますし、グループの輪が一番大きくなるような戦い方を選択できればいいなと思います。
そこに自分がずっと大事にしてきた、ボールを扱う技術のところを求めたいなという風には思っています。
セルジオ:憲剛がボールをさばくのが上手い選手だと僕は評価していたけれど、こんなに質問されても喋るのが上手で、話をさばくのも上手くてすごいなと...


中村:今その話ですか(笑)。いやぁ、もうセルジオさんと話せる機会も滅多にあるものではなかったので。
セルジオ:ないない。だってフィールドとスタンド遠いもん!
中村:そうですよね。じゃあ、今はだいぶ距離が近づきましたね。だけど、こういう形でいっぱいお話をさせて頂いたことで、改めて自分が引退したなっていう感じを今実感していますね。
セルジオ:あんまり間をあけないで、次の活動を続けるということがサッカー界にとって大事だから、ぜひ頑張ってほしいと思います。
中村:はい!サッカー界に携わることは間違いないので、色々な形で貢献したいなと思っています。