サッカーW杯 最終予選進出を決めた日本代表 5連戦で見つけたもの

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2021.6.23

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2021 キリンチャレンジカップ セルビア戦 日本代表 写真:JFA/アフロ

 日本が進出を決めている、2022年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の対戦相手が7月1日に決定する。

クアラルンプールで行われる組み合わせ抽選会のシステムがFIFA(国際サッカー連盟)とAFC(アジアサッカー連盟)から発表され、イラン、韓国、オーストラリアなどアジアのライバルが順調に最終予選進出を決めており、組み合わせは気になるところ。

5~6月のアジア2次予選と強化試合の5連戦でチーム強化を図った日本代表だが、激戦が予想される次のステージへの準備はどうだろうか。

 日本代表は5月28日から6月15日までの2週間半の間に2022年ワールドカップ・アジア2次予選3試合と強化試合2試合を実施し、チームの顔ぶれを入れ替えながら戦った。選手層の拡充を図ったが、2次予選突破を決定後の6月の4試合では、特にセンターバックとFWの新たなオプションを模索する機会となった。

 日本は、勝てば突破が決まる28日のミャンマー戦を海外組のみで戦って10-0と大勝。FW 大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)が5得点をマークし、MF 南野拓実(サウサンプトン)が2得点で予選連続得点記録を6に伸ばした。

トップ下を務めるMF 鎌田大地(フランクフルト)ら攻撃陣の連携も滑らかさを増しており、日本は予選2試合を残して最終予選進出を決めた。

 その後チームはメンバーを入れ替えて再編成。東京五輪代表メンバー最終選考となる親善試合を同時期に行うU-24代表へ、DF 冨安健洋(ボローニャ)やMF 久保建英(ヘタフェ)ら若手と、OA(オーバーエイジ)に指名されたDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ→浦和)、MF遠藤航(シュツットガルト)の計12人が離脱。

代わりにDF 谷口彰悟(川崎)やDF 昌子源(G大阪)ら国内組10人が合流して、2次予選残り2試合と親善試合2試合を戦った。多く選手には新戦力としてアピールする格好の機会となった。

 日本代表は中止されたジャマイカ代表戦に代わって急遽用意された3日のU-24代表との強化試合、2次予選のタジキスタン代表戦(7日)とキルギス代表戦(15日)、その間の11日に行われた親善試合のセルビア代表戦を戦い、冨安選手が負傷の影響で出場を見送ったミャンマー戦を含めて、日本代表の森保一監督はいくつかの組合わせをチェックした。

 ミャンマー戦のセンターバックは吉田(→植田直通選手へ交代)+板倉滉と2つの組合わせを採用。6月の試合では、植田+谷口(→昌子源・G大阪)、昌子+中谷進之介(名古屋)、植田+谷口、さらにキルギス戦では途中から佐々木翔(広島)+昌子+中谷の3バックも試した。

 谷口は本職のセンターバック以外に試合途中からボランチでの起用にシフトし、MF川辺駿(広島)やMF守田英正(サンタ・クララ)とのコンビでプレー。守田、橋本、川辺らの組合わせでの先発に、新たなオプションでの起用をチェックした。

また、酒井不在の右サイドバックはDF室屋成(ハノーファー)とDF山根視来を使い分け、左サイドも長友佑都を基軸に小川と佐々木を起用するなど、守備陣全体で多くの組合わせを試した。

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2022 FIFA W杯 アジア2次予選 ミャンマー戦 日本代表 写真:JFA/アフロ

失点後のチェック

U-24代表戦では、遠藤航の途中出場で終盤攻勢を強めた若手代表に対して、最後までクリーンシートをキープ。U-24代表が集合後間もなく、5日のガーナ戦に照準をあてて調整していたこともあるが、局面での強さなどフル代表としての違いを見せた。

だが、その後のタジキスタン戦ではFIFAランク121位と、28位の日本に大きく下回る相手に失点を許し、2次予選での無失点記録が6試合でストップした。

失点は、日本が前半6分にMF古橋亨梧(ヴィッセル神戸)のゴールで先制した3分後。日本のCKの流れから攻めに転じてゴール前まで持ち込まれ、一度は昌子がクリアしたが、これを拾われて右サイドからノーマークでクロスを入れられ、ゴール前に走り込んだ相手に頭で合わされた。

日本はその後のキルギス戦でも相手のFKの流れからペナルティエリアに持ち込まれたところを日本選手が倒して、PKで1点を献上した。予選終盤2試合でメンバーを変えて臨んだところでの失点で、連携などチームとしての調整不足な面が出たといえるだろう。

その一方で、タジキスタン戦の4日後のセルビア戦では、若手主体でアピール度の高い欧州の攻撃時を相手に、植田・谷口の大津高校先輩後輩コンビがGK権田修一(清水)、室屋と長友の両サイドバック、守田と橋本両のボランチと連携して無失点に抑えた。

タジキスタン戦後、橋本は「1点獲ったあと攻撃も守備も後ろに重くなった」と振り返り、橋本とボランチを組んだ川辺も「失点の少し前からボールの奪われ方が悪かった。一回切ってボールを前へ運ぶことが必要だった」と反省を口にしていた。

森保一監督はしかし、「チームの経験値としては悪くない失点。失点した後にどう反発して、継続力をみせられるかを確認できた」と話し、そこもチェックポイントとしていた。

実際、日本は失点後も素早く建て直して攻撃に転じ、前半40分に南野の得点で均衡を破ると、後半開始6分に橋本、後半26分には川辺がそれぞれ代表初ゴールとなる追加点を奪って4-1で試合を終えた。


取材・文:木ノ原句望