サッカー日本代表 森保監督「私自身の責任」W杯最終予選黒星スタートで試される強さ

サッカー

2021.9.7

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サッカー日本代表 森保一監督 Photo by Kaz Photography/Getty Images

 来年カタールで行われるサッカーのワールドカップ(W杯)の出場権を懸けたアジア最終予選が9月2日に開始。日本代表はホームでの初戦でオマーン代表に敗れ、まさかの2大会連続での黒星スタートでいきなり苦境に立たされた。

勝利が求められる7日の中国代表戦で日本はメンタル、プレーの両面で強さを見せられるか。試されている。

「中東勢のクオリティが年々上がってきている」最終予選初戦を前にDF酒井宏樹選手(浦和)はそう話していたが、オマーン戦ではその指摘を証明するような結果になった。

オマーンはFIFAランキングでは日本の24位に79位。過去の対戦でも日本の9勝3分け無敗と、日本優位の数字が並んでいた。

その相手との対戦に、日本は先発にDF吉田麻也選手(サンプドリア)、MF原口元気選手(ウニオン・ベルリン)、MF柴崎岳選手(レガネス)ら森保一監督体制での試合をはじめ、過去の最終予選やW杯本大会も経験したメンバーを並べた。そこには重要な初戦で手堅く勝点3を手にしたいという指揮官の思惑も感じられた。

しかし、日本は思うようなプレーも結果も手にすることはできなかった。終了間際にサイドを崩されて失点し、0-1で敗れた。試合では、約1ヵ月のセルビア合宿を実施してきたオマーンの動きの良さが目立った。

日本は代表チームが活動できる国際マッチデー期間に合わせてチーム集合から3日、海外組合流から2日の調整という、これまでと同様の準備で臨んだが、今回は全般に動きが重く、ミスが多かった。選手間の距離も遠く、連携がうまく取れず、ボールを失って相手にカウンターを許す展開を繰り返して押し込まれた。

日本は守備陣が体を張ってゴールを守ったが、攻撃に転じてもシュートまで持ち込めず、前半の決定機は、吉田選手からのロングフィードに、相手DFの裏に飛び込むようにして合わせたMF伊東純也選手(ヘンク)の1本ぐらいだった。

後半から、スコットランドの新天地で好調なFW古橋亨梧選手(セルティック)を投入し、さらに東京オリンピックで奮闘したMF久保建英選手(マジョルカ)やMF堂安律選手(PSV)をベンチから送り込んだが、効果的な得点機を作るには至らなかった。

日本が打ったシュートは9本(前半3本、後半6本)で、オマーンの12本(前後半各6本)よりも少なかった。

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W杯最終予選 オマーン代表に敗れて黒星スタートの日本代表


森保監督「意思統一できる絵を持たせられなかった」

 6月までの2次予選での日本の試合をじっくり分析したというオマーンのブランコ・イバンコビッチ監督は、日本のチャンスメークを封じるために中盤に人数をかけてスペースを消し、ハイプレスで日本選手の出足を抑え、攻撃の芽を摘むように策を授けたと明かした。

 中東勢には不慣れな大雨の中での試合に、クロアチア人監督は「リスクを冒したくない」としてGKを中心にロングボール主体でプレーするように指示。

オマーン選手らは、所々で水が浮くピッチコンディションに戸惑う様子も見せずにゲームプランを遂行。果敢にプレーを続け、積極的にシュートを放ち、日本ゴールに迫った。

フィジカルコンディションの良さだけでも十分に日本を圧倒していたが、元イラン代表監督として日本と対戦した経験もある指揮官の下、攻守にやりたいこと、やるべきことを徹底し、攻撃力を上げていた。

オマーンの88分の得点場面も、MFアルヤヒアエイ選手が交代出場のアルアラウィ選手とパス交換で右サイドを崩してクロスを送り、交代出場で入ったばかりのFWアルサビ選手が吉田選手と植田選手の間のスペースを突いて右足で合わせた。

前回2018年ロシア大会の最終予選でも、日本はホームでの初戦をUAEに敗れて落としており、2大会続けての黒星スタートとなった。

「前回同様、苦しい状況に追い込んでしまった」と肩を落とす吉田選手は、「強度もクリエイティビティも足りなかったし、(ボールの)奪われ方も悪かった。ポジショニング、距離感、判断、集中力、そういうもの全てがうまくはまっていなかった。その中でも最低限、勝点を獲らなければならなかった」と振り返った。

 どんなに優れたチームでも、メンタルを含めた準備ができていなければ、世界ランキングで下位の相手や対戦成績で優位に立つ相手に負けることはある。しかも、最終予選では、大量得点で勝利が続いた2次予選の対戦相手とは明らかにレベルの異なるチームが相手だ。

 吉田選手は「相手のコンディションが良かった」と認めたが、コンディションや練習時間の短さ、移動や時差などは言い訳にならないとして、「それでも勝っていかないとならない。それができなければ代表にいる資格はない」と言い切った。

 MF遠藤航選手(シュツットガルト)は、「相手もいい試合をしたのは間違いないが、自分たちもちょっとした切り替えが遅くなったり、ミスもあった」と話し、攻め方の判断やボールを獲るためのプレーを「もう少し準備して、オプションを持つことが大事になる」と話し、準備不足を示唆。

森保監督は、「選手たちに意思統一できる絵を持たせることができなかった。私自身の責任」と振り返った。


取材・文:木ノ原句望