U-24日本代表 森保監督 変化がなかった選手起用

サッカー

2021.8.8

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U-24日本代表 森保一監督 Photo by Koki Nagahama/Getty Images

 U-24日本代表の東京オリンピックでの戦いが終わった。8月6日に埼玉スタジアムで行われた男子サッカー3位決定戦でメキシコに1-3で敗れ、2012年大会に続いて4位で大会を終了した。

日本は勝てば、1968年メキシコ大会以来の銅メダル獲得だったが、その1勝は遠かった。

 前半を2点ビハインドで終えた日本は後半開始からMF相馬勇紀選手(名古屋)に代えてMF旗手怜央選手(川崎)を投入。

さらに、0-3とされた後の後半18分にDF中山雄太選手(ズヴォレ)に代えてMF三笘薫選手(川崎)、FW林大地選手(鳥栖)に代えてFW上田綺世選手(鹿島)をベンチから送り出すと、左アウトサイドに入った三苫選手が仕掛けた。

 選手の疲労とハーフタイムで2点のビハインドを考慮すれば、三苫選手は負傷明けではあったが、上田選手との投入はもう少し早い時間での投入でも良かったかもしれない。

また、大会を通じて先発メンバーはあまり変えずに戦ったが、選手の疲労を考慮したやりくりはできなかったかという疑問も残る。

勝っているチームは変えないという昔からのセオリーがある。代えの効かない選手という存在もある。

ボランチで攻守にチームの要として奮闘したOAのMF遠藤航選手(シュツットガルト)もその一人で、自然と依存度は高くなる。全ての試合にフル出場したGK谷晃生選手(湘南)とDF吉田麻也選手(サンプドリア)に次ぐ出場時間で、グループステージ第3戦のフランス戦の後半半ばでの途中交代があった以外はフル出場の活躍だった。

このチームには、中山選手やDF板倉滉選手(フローニンゲン)など複数のポジションをこなせる選手も増えていて、過去の五輪に比べてもチームの機能性は上がっていた。

選手の負担やコンディションを考慮して選手起用に変化を付けたいところだったが、気の抜けない試合が続く大会で、それを実施するまでのレベルには至っていなかったということか。

メンタル面でも、グループステージで日本が勝っていたメキシコが相手だったことがマイナスに作用した可能性がある。

MF久保建英選手(レアル・マドリード)が、「グループリーグで勝っていた相手だったので、どこか気の緩みがあったのかもしれない」と指摘。「この試合の重みが自分たちは理解できなかったのかなと思う」と肩を落とした。

スペインリーグでプレーする20歳のアタッカーは、「相手も疲れている中で3点獲って、こちらは1点しか取れなかった」と話し、「次のチャンスが自分にあれば、今度こそしっかりとチームの勝利に貢献できるようにしたい。今までサッカーだけやってきて、こんなに悔しいことはない。この気持ちを忘れないでやっていきたい」と語った。

MF堂安律選手(PSVアイントホーフェン)は決勝トーナメントで不発に終わり、「責任を感じている」と話したが、「持てる力は全て出したつもり」と受け止めた。そして「この試合が自分のキャリアの大きな分岐点となったと言われるようにしたい」と前を向いた。

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五輪サッカー U-24日本代表 Photo by Koki Nagahama/Getty Images

次のステップへ

2017年12月からチームを作り、2018年夏からはフル代表と兼任で指揮を執ってきた森保監督は、「選手たちは本当によく頑張ってくれた。監督として選手の頑張りを結果に結びつけられず、期待してくれた方々に喜んでもらえる結果を出せず、非常に残念」と話し、「今日勝てなかったということは、まだまだ成長しなければならないということ」と語った。

このU-24代表チームは解散し、選手たちはフル代表での活動を目指すことになる。9月からはフル代表で2022年ワールドカップ(W杯)出場を懸けた最終予選も始まる。

今回の大会を経験して得たものは、2024年パリ五輪を目指して新たに立ち上げられるチームや、今後のフル代表で選手たちが活かせるものになるはずだ。

林選手のように、当初のバックアップメンバーから選手枠が22人になったことで出場機会を獲得し、6試合中5試合に先発して常に前線で体を張ったプレーで成長を示した選手もいた。

吉田選手は、「これで終わりではない。9月からW杯最終予選がある」と言及。今回の五輪を戦ったチームから1人でも多くの選手がフル代表入りするために、再び所属クラブでプレーを磨いてほしいと話した。

フル代表でもキャプテンを務める吉田選手は、「僕も若い選手たちからたくさんいろんなものを吸収できて、選手として成長できたのではないかと思う。W杯でまた自分たちの力を示したい」と話した。


文:木ノ原句望