【C大阪】乾貴士10年ぶりのJ復帰!「最高のチームを作りたい」チーム改革へ強い意欲

サッカー

2021.9.6

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10年ぶりにJ復帰のMF乾貴士(c)CEREZO OSAKA

 セレッソ大阪に心強い選手が戻ってきた。2018年ワールドカップロシア大会を含め日本代表でも活躍したMF乾貴士選手がドイツ、スペインでのシーズンを終えて10年ぶりに復帰。

小菊昭雄新監督の下でチームの建て直しに乗り出しているセレッソに、海外で培った経験を古巣に還元して「いいチームを作りたい」と強い意欲を示している。セレッソの今季後半戦のキーマンになりそうだ。

 「もう一度Jリーグに戻ってくるなら、いつかはこのチームでやりたいと思っていた。自分のホームだと思っている」

 セレッソ復帰後の会見で乾選手はそう言った。

 横浜Fマリノスを経て2008年シーズンの途中からからセレッソに移籍。2011年夏にドイツのボーフム加入で海外挑戦を始めるまで、セレッソで約4シーズンプレー。

その後はボーフムからフランクフルトを経てスペインへ移り、エイバル、ベティス、アラベスを経て直近の2シーズンは再びエイバルで戦った。その間には日本代表として2018年ワールドカップのロシア大会も経験し、日本の16強入りに貢献した。

23歳で初めてセレッソのユニフォームに袖を通してから10年。今年の6月に33歳になった乾選手は、「初心に帰る」という思いから、今回の背番号は馴染みのある7番ではなく、23番を選んだ。

 セレッソはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で16強に進出しているが、J1リーグでは今季は8勝9分9敗で12位と苦戦している。

5月2日のガンバ戦から8月15日の福岡戦まで11試合連続で勝星がなく、8月21日に横浜FC戦で1勝した直後の25日の湘南戦で1-5と大敗。その結果、前任のレヴィ・クルピ監督は契約解除となり、小菊監督がコーチから新指揮官に昇格し、チーム再建を任された。

 ドイツでもスペインでもセレッソの試合を常に見ていたという乾選手は、オフシーズンにはセレッソで練習にも参加。小菊監督ともコーチ時代から旧知の仲で、チーム状況の把握やプレーの連携に問題はなさそうだ。

 乾選手は「守備が少し甘い」「元気がなくなっている」などとチームの課題を指摘し、日本サッカーに共通する点として「ゲームスピードが遅い」「球際が緩い」という問題点にも触れた。

その現状に、「サッカーIQが高い」と感じたというスペインリーグでの6年間など海外でのプレー経験を活かして、チームの意識から変えたいと語る。

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10年ぶりにJ復帰のMF乾貴士(c)CEREZO OSAKA

「プロとしての意識、ピッチ上での意識は、求めたいもの、鍛えていきたいものはいっぱいある。言いたいことはピッチで解決して、ピッチから出たら仲良くやりたい。練習から100%以上でやっていきたいし、それをできるチームにしたい」と言葉に力を込めた。

プレー面についても33歳の攻撃的MFは、「前から行けるのは自分の特長だし、求められていると思っている」と話し、元気を注入することも「自分が担っていけたらいい」と語るなど、率先してチームをけん引する意欲を見せる。

9月1日のホームでのルヴァンカップ準々決勝第1戦のハーフタイムには、ピッチに登場してサポーターに挨拶し、「もう一度新しいチームに作り直そうとしている。その中に自分もしっかりと入って、いいチーム、最高のチームを作りたい」と、セレッソでの第2章への思いを示した。

 セレッソは小菊新体制のスタートとなった8月28日のJ1リーグでガンバに勝利。

その後のルヴァンカップ準々決勝も大阪ダービーの顔合わせとなり、9月1日の第1戦を0-1で落とし、アウェイに乗り込んでの5日の第2戦で逆転勝利を目指している。2点差で勝利すればセレッソの4強進出が決まる。

 その対戦へ、MF清武弘嗣選手を負傷で欠き、W杯最終予選を戦っているオーストラリア代表に招集されたFWアダム・タガート選手も不在。攻撃の起点となれる乾選手に期待がかかっている。

 小菊監督は乾選手の5日の試合での起用についての明言は避けたが、ピッチ内外での新戦力として今後へ大きな期待を寄せている。

 「彼が過ごしてきた時間や経験をクラブに還元しようという姿勢を強く感じる。なにより、リーダーシップをとって明るく先頭を走ってくれることは、とても心強い」と、指揮官。

さらに、「テクニック、シュート力、突破力は日本でもトップクラス。セレッソに入ってくれたことはチームとしてもとても大きい。サッカーへの取り組みや情熱は、選手たちにも大きな影響を与えてくれている」と語り、すでにチーム内での変化が起き始めていると示唆している。

 セレッソは今季のリーグ戦は12試合を残し、9月8日にアウェイの札幌戦で再開する。15日には韓国の浦項スティーラーズをホームに迎えるACLの決勝トーナメント1回戦もあり、9月はほとんどが中3日での連戦となる。ハードスケジュールの中、乾選手を得たセレッソの戦いが続く。


取材・文:木ノ原句望

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10年ぶりにJ復帰のMF乾貴士(c)CEREZO OSAKA