『30億分の1の奇跡』ソダシと白毛馬たちの現在、過去、そして未来

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2021.10.15

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純白のサラブレッドたち ~白毛の軌跡、ソダシ誕生~

緑のターフを駆ける純白のサラブレッドとして世界中の注目を集めるようになったソダシ。

奇跡の毛色と呼ばれる珍しい毛色で1勝を挙げることさえ難しい競馬の世界においてGI制覇を成し遂げた彼女。競馬界のレジェンド・武豊のソダシ評と知られざる白毛馬の歴史、そしてネクスト・ソダシとなりうる逸材を余すところなくレポート。

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白毛馬に乗ってGIを勝つ―― レジェンドに新たな目標が

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競馬界のレジェンド・武豊。彼にとって白毛馬との関わりは深く、ソダシの一族にはこれまで5頭に騎乗。その中にはソダシの母であるブチコも含まれている。

「美しいし、神々しいですよね」と白毛馬への印象を語った武豊。

そんな彼の白毛馬への騎乗でひときわ印象深いのが2008年の関東オークス時に騎乗したユキチャン。4コーナーを過ぎるころには早々と先頭に立ち、ナイターレース特有のカクテル光線で照らされた馬場を疾走するユキチャンを見事に勝利へとエスコート。

日本どころか世界でも例を見ない、白毛馬による重賞制覇の偉業を成し遂げた。

「はっきり覚えていますよ。人気がありましたからね。ユキチャンは。競馬場で拍手が起きて、盛り上がりましたよね。白毛の馬で重賞勝つのも初めてだったし」と、武豊は当時を振り返りながらこう答えてくれた。

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春のクラシックは2戦ともソダシを敵に回していた武豊。それだけにあることを思い描いていたという。それは「自身が白毛の馬に乗ってのGI制覇」だ。

「今年のソダシの活躍を見ると、自分も白毛馬でGIを勝ちたくなった。いろいろなGIを勝ってきたけれど、白毛の馬ではまだ勝っていない。僕も白髪頭になってから早くしないと(笑)」

これまでも数多くの記録を打ち立ててきた競馬界のレジェンド・武豊。50歳を過ぎてもなおトップ戦線で主役を張るための原動力は、こうした負けん気の強さ、飽くなきスピリット精神からから生まれているのかもしれない。

知る人ぞ知る白毛馬・ハクタイユーとは?

シラユキヒメから始まったとされる白毛馬たちへの注目度。

今でこそノーザンファームでシラユキヒメ一族が数多く存在しているが、その前にも日本では白毛馬の生産が行われ、1979年には日本初に白毛馬「ハクタイユー」が誕生した。そして、その様子を間近で見ていたカメラマンこそ獣医の猪木叔郎さんだった。

「最初は牛みたいな動物が倒れている」という話だったんですが、それで見に行ったら身体にブチがある馬で。写真を撮りたいということで、すぐに家に帰ってカメラを持って撮りましたよ」

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白い馬と芦毛は似て非なるもの。芦毛は皮膚が黒いが、白毛は真っ白。これまで誰も見たことがない白い仔馬はどの毛色とも呼ばれないジャンルにいた。

というのも1979年当時、競走馬の色は鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、栗毛、栃栗毛、芦毛の7種類のみだったが、ソダシはどこにも当てはまらない。

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父は黒鹿毛のロングエース、栗毛の母ホマレブルから白毛が出ることはなく、突然変異として認めれた同馬は晴れて「ハクタイユー」という名を授かり、日本で最初の白毛として登録された。

白毛はメラニン色素が作られないため、通常の競走馬のように黒くなることはなく、1982年にデビュー。しかし、4戦して未勝利のまま現役を引退。毛色を残すために種牡馬になると、その目論見通り5頭の産駒を残した。

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その中の1頭、ハクホウクンは大井競馬でデビューすると、日本馬初となる白毛馬の初勝利を飾った。

現在は千葉県のインターアクションホースマンスクールに27歳になるハクホウクンはそこにいるという。厩務員を目指す生徒たちの生きる教材としてまだまだ存在感を示している。

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青い瞳を持つ「ネクスト・ソダシ」

ソダシの一族に日本初となる白毛馬ハクタイユーの一族など、日本にいる白毛のファミリーを多くみてきたが、最後に紹介したいのが北海道・浦河町にあるディアレストクラブ。

ここにカスタディーヴァという繁殖牝馬がいる。

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白毛馬独特の純白の輝きを放つ彼女は昨年、ゴールドシップとの間に牡馬を生んだ。当然、毛色は母譲りの白毛。母と同じ青い目がチャームポイントの若駒は代表の高樽秀夫さんにも手ごたえを感じさせた。

「やっと1つの念願が叶った」という高樽代表の言葉はとても深い。もしかすると、ここからソダシに続く新しい白毛伝説が紡がれていくのかもしれない。

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