【神騎乗】天皇賞・秋 “キタサンブラック” 絶望的な位置取りからの連覇 武豊の手綱さばき

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2022.5.12

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2017年の天皇賞秋をキタサンブラックが優勝 天皇賞春秋連覇


GIの大舞台で見せた"名手"というべき手綱さばき

競馬界には「馬7:騎手3」という格言がある。

レースの結果を左右するものとして馬の実力が7割、騎手の実力が3割と言われているが、時に騎手の腕が最大限に生かされて勝利、好走したといういわゆる"神騎乗"と呼ばれるレースも存在する。

そんな騎手のスゴ技をテレビ東京スポーツYouTubeチャンネル「競馬大好きママ のスナック美馬女 #3神騎乗」の動画内で数多く紹介されていたが、惜しくも動画内で紹介されなかった騎手たちの神騎乗レースをここでは紹介。

【第2選】武豊&キタサンブラック(2017年 第156回天皇賞・秋)

馬主が歌手の北島三郎ということで話題になったキタサンブラック。

現役時代にはGIで7勝を記録した名馬だが、中でも自身6度目のGI制覇となった2017年の天皇賞(秋)は武豊の"神騎乗"として名高いレースでもある。

この日の東京競馬場はあいにくの雨模様。

朝から降りしきる雨によって馬場状態は当然ながら不良。後ろから動いてはまず届かないという状態になっていた。

その中で1番人気にキタサンブラックだったが、スタート直後にまさかの出遅れ。

スタートから先行して持ち前のスタミナを生かして粘りこむというレーススタイルの馬としては、勝利は絶望的な位置取りとなってしまった。

ところが鞍上の武豊はこの出遅れに焦ることなく、内から徐々にポジションを上げていくことを選択。

馬場が悪くとも最短距離を走れつつ競馬場の構造上、水はけが最もいい内ラチ沿いを走ることでキタサンブラックは3コーナーに入るころには5番手にまで押し上げていた。

勝負どころとなったこの場面、武豊はここでも馬場の悪い内側を走ることを選択。

ロスがないコーナリングが功を奏し、4コーナーを過ぎたころにはキタサンブラックは2番手にまで上昇。ここまでくると今度はキタサンブラックの武器であるスタミナが活きる展開に。

降りしきる雨をものともせずに直線で伸びたキタサンブラックは先頭に立つと、後から迫ってきたサトノクラウンをクビ差振り切ってゴール。GI 6勝目を飾るとともに天皇賞春秋連覇を達成した。


■文/福嶌弘