ヴァンフォーレ甲府 マリノス戦での惜敗を活かしてJ2開幕勝利へ

ヴァンフォーレ甲府 ピーター・ウタカ 写真:長田洋平_アフロスポーツ
Jリーグ新シーズンへのプロローグとなるFUJI FILMスーパーカップが2月11日、東京の国立競技場で行われ、昨季Jリーグを制した横浜F・マリノスが天皇杯優勝のJ2ヴァンフォーレ甲府にMF西村拓真選手の決勝ゴールで2-1の勝利を収め、6度目の出場で初優勝を飾った。
甲府は、昨年の天皇杯に続くジャイアンとキリングとはならなかったが、見せ場も作った。
試合序盤は左サイドからの仕掛けから鳥海芳樹選手のミドルシュートで相手ゴールを脅かす場面も作り、後半は押し込まれながらも守備で粘り、試合終了直前には右CKの流れから交代出場したFWジェトゥリオ選手がペナルティエリア右からのシュートでゴールネットを揺らしたが、VARチェックでオフサイドと判定。J1王者を相手に追いつくことはできなかった。
福岡やFC東京などでも指揮を執り、今季から指揮を執る甲府の篠田義之監督は、「マリノスを相手にどこまでできるかトライしたが、攻撃でもう少しボールを握ったり背後を突くことができればよかった」と振り返った。
「選手にもこの悔しさを忘れないようにと伝えた」という新指揮官は確認できた点も少なくなかったとして、「ボール奪ってからの課題が見えた。リードされても追いついて、ひっくり返すぐらいの推進力とパワーをチームに植え付けたい。来週からのリーグ戦へつなげていければ」と話した。
甲府のJ2初戦は2月18日(土)、ホームにモンテディオ山形を迎える。昨季は天皇杯での快進撃を見せた一方、リーグ戦では22チーム中18位と不本意な結果に終わった。今季はJ2を戦いながら天皇杯優勝者としてACL(AFCチャンピオンズリーグ)にも挑むタフなシーズンになる。
4シーズンぶりに甲府に復帰したFWピーター・ウタカ選手は、「マリノスは、ポジショニングやパスのタイミングなどレベルがとても高くて、切り替えも速かった。我々はもっと自信を持ってボールを前に運べるようにプレーを改善して、次は無失点で勝てるようにしたい」と語った。
「今季の目標はJ1昇格」というウタカ選手は、J1では2015年の清水から広島、FC東京、京都での通算4シーズンで115試合に出場して45得点を記録。J2でも4シーズンを経験して、2018年の徳島から甲府、京都で通算138試合に出場して69得点を挙げている。ベルギー出まれでナイジェリア代表でのプレー経験もある38歳FWは、甲府の攻撃の中心選手として期待されている。
ウタカ選手は、「マリノスといい戦いをして、チームのみんなにも自信になったと思う。今日の経験を活かして、来週のJ2初戦にはミスを減らして臨みたい」と語った。
今季はコロナ禍で設けられていた声出し制限が解禁。マスク着用を条件にスタジアムすべての席での声出し応援が可能になり、この日スタジアムに足を運んだ50,923人の観客も、スタンドから熱い声援を送り、試合のムードを盛り上げた。
試合後、Jリーグの野々村芳和チェアマンは「入場可能数の上限100パーセントで、全席で声出し応援が可能になったことで、本来のスタジアムの光景にまた一歩近づいたと素直に感じた」と述べて、新たな展開を歓迎。今後についても、政府のコロナ対策に対応しながら「元の世界に戻していくために、サッカーがその一助になればと思う」と語った。
取材・文:木ノ原 句望